2025/06/14

Taiwan Today

外交

呉外交部長がスイス紙の取材に対し、「中国の挑発には落ち着いて理性的に対応」

2022/12/19
呉釗燮外交部長(写真右)が今月14日、スイスの日刊紙「ターゲス・アンツァイガー」によるインタビューを受け、台湾海峡の現状、ウクライナとロシアの戦争のもたらした啓示、台湾とスイスの関係などについて語った。左のモニター内はインタビューを行った同紙国際部の主任と記者。(外交部)
呉釗燮外交部長(=外務大臣)がスイスの日刊紙によるインタビューを受け、台湾海峡の現状、台湾とスイスの関係などについて語った。以下、外交部(日本の外務省に相当)が18日に発表したプレスリリースの内容要約。
 
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呉釗燮外交部長が14日、スイスの大手日刊紙「ターゲス・アンツァイガー(Tages Anzeiger)」国際部のChristof Münger主任と記者Simon Widmer氏によるオンライン形式でのインタビューに応じ、台湾海峡両岸の現況、ウクライナとロシアの戦争が我々にもたらした啓示、台米関係、台湾とスイスとの関係などについて語った。インタビューの内容は12月17日に掲載された。
 
呉外交部長はインタビューの中で最近の中国の内政不安について触れ、「我々はそれに付け込まず、また外部による憶測のように(台湾は)」『一息つける』わけでもない。中国が内政問題について向けられる国民の目をそらすためのスケープゴートに台湾がされないよう注意深く見守っている」と述べた。呉外交部長は、中国の軍機が台湾の防空識別圏に侵入するなどの行為は今年延べ3,000機近くに上り、一昨年の延べ380機、昨年の延べ972機を大幅に上回っていること、中国が「台湾啤酒」(台湾ビール)や農水産物の輸入を禁止することで、台湾を経済的に脅迫していること、そして台湾へのサイバー攻撃やフェイクニュースなど複合的な攻撃を行っていることを挙げ、「このため中国が積極的に台湾侵攻の準備を進めている可能性は排除できない」と語った。
 
呉外交部長は、習近平氏は中国共産党第二十回全国代表大会において「台湾は中国の内政問題だ」と妄言したが、戦略的に見て第一列島線のカギとなる位置にある台湾は中国が太平洋に勢力を広める上で必ず通らなければならない場所だと強調。また台湾は世界の「半導体センター」であり、中国はその掌握を望んでいるのではと警戒した。そして呉外交部長はより重要なこととして、中国は台湾の民主、自由、人権をその集権的な制度に対する最大の脅威とみなし、1日も早く取り除きたいと考えていることを挙げ、「中国の台湾侵攻の野心は明らかだ。しかし我々は中国の挑発を前に、落ち着き、理性的かつ責任を負う態度で対応しており、だからこそ台湾は各国の支持を得られているのだ」と語った。
 
呉外交部長は、台湾が強い隣国の中国に対抗するのはダビデが巨人ゴライアスと戦う聖書の物語に似ているが、今ではウクライナがロシアに抵抗する真実の例まであると指摘。台湾は対ロシア制裁に加わり、ウクライナへの人道支援に乗り出しているほか、ウクライナとロシアの戦争から啓発と励ましを受けていると強調した。呉外交部長は、我々が戦略と決意を持ち、「非対称戦力」の発展や米国による防衛装備の提供、軍事力の強化を通して固い意志で我々の民主的なライフスタイルを守っていけば、我々の主権と自由は誰も奪うことはできないのだと語った。
 
そして呉外交部長は、長年中立政策をとってきたスイスならば、権威主義で民主主義国を威圧する中国に向き合っても、両岸問題についてより中立な立場でいられるだろうと期待、スイスが台湾の民主主義の強靭性と経済面での実力を認め、フェイクニュースや複合的な脅威への対応などの面で連携を強められことを希望した。また呉外交部長は、スイスを訪れての交流にも意欲を示し、互恵の関係を深化させたいと語った。
 
 

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