2025/07/06

Taiwan Today

外交

台湾がトルコに「IT教室」整備、ウクライナからの身寄りのない子どもたちをサポート

2023/01/19
駐トルコ代表処が現地のNGOと協力、トルコで暮らすウクライナの身寄りのない子どもと難民児童が引き続き教育を受けられるよう教室を整備、設備も寄付して支援している。写真は協力協定への署名を終えた駐トルコ代表処の黄志揚代表(左)と「ASAM」のIbrahim Vurgun Kavlak幹事長(右)。(駐トルコ代表処提供)
駐トルコ代表処(駐アンカラ台北経済文化代表団)が現地のNGO(非政府組織)と協力協定を締結した。国連児童基金(UNICEF)の枠組みの下、トルコで暮らすウクライナの身寄りのない子どもと難民児童のために「IT教室」を開設。台湾製パソコンなども寄付して、戦争で学習の場を失った子どもたちが引き続き教育を受けられるよう協力する。
 
黄志揚駐トルコ代表は17日、トルコのNGO「Association for Solidarity with Asylum Seekers and Migrants, ASAM」(庇護希望者と移民との連帯協会)のIbrahim Vurgun Kavlak幹事長と、トルコの首都アンカラで協定にサイン。「教育の再連結(Re-Connect to School Project)」と題した1年間の協力プロジェクトをスタートさせた。駐トルコ代表処によると、今回の協定により台湾はトルコ南部のアンタルヤ県にあるウクライナの身寄りのない子どもと難民児童が暮らすホテルに「IT教室」を2部屋開設し、台湾製IT設備を31セットを寄付する。さらにトルコのファミリー・ソーシャルサービス省とウクライナの教育省の計画に合わせ、1年間の各教育カリキュラムとイベントを支援する。これにはリモート方式でウクライナにおける正式な教育システムにつなげることも含まれる。
 
昨年2月に始まったウクライナとロシアの戦争により、ウクライナの人々数百万人が住む場所を失い、故郷を離れざるを得なくなった。トルコでは現在、少なくともウクライナの身寄りのない子どもと難民1,600人を収容しているが、そのうち551人が学齢の子どもたちだという。
 
トルコの家庭及び社会サービス省、国連児童基金、「ASAM」などは相次いで支援に加わっており、通訳者やトルコ語の学習カリキュラム、心理カウンセリングなどのリソースを提供している。しかし戦争が続く中、多くの難民児童がウクライナに戻れず、今後は暮らしの問題に加えて学齢児童の教育が問題となって来る。
 
「ASAM」のKavlak幹事長は同プロジェクトに対する中華民国政府及び駐トルコ代表処の支持に感謝。同幹事長によると、ウクライナからトルコに避難した難民及び移住を余儀なくされた人々(forced migrants)に対して「ASAM」は国連の関係機関及びトルコ政府に合わせて援助活動を行っているが、トルコで暮らす難民児童こそが最も深く傷つき、最も立場の弱い対象で、国連、トルコ、ウクライナ政府、ウクライナのNGOなどが必要な支援を提供しようと努力しているという。
 
このためKavlak幹事長は、「台湾がこれら難民児童の教育を支援することは非常に有意義であり、影響力のあるものだ」と大いに評価した。
 
黄志揚駐トルコ代表は、代表処が近年現地の難民にサージカルマスクやブランケット、白米や車いすなどの物資を提供してきたこと、学校や活動センターの建設に協力してきたこと、エンパワーメントに関するイベントを開催したことなど多元的な人道活動に取り組んできたことを説明、さらに「ASAM」と共に「移民テレビ」計画を立ち上げて難民と現地の人々との融和を後押し、また科学技術の力を通して難民がフェイクニュースによる危害を受けないよう助けていることを指摘した。
 
黄駐トルコ代表は、戦争勃発後台湾の官民がすぐさまウクライナ難民支援の各計画をスタートさせたこと、また今回代表処が「ASAM」と提携してトルコにおけるウクライナの身寄りのない子どもたちと難民児童の教育支援に乗り出したことは戦争に向き合うウクライナの人々を台湾が強力に支えていこうとする具体的な行動だとし、これからも「Taiwan can Help」(台湾がお手伝い出来ます)という国際的な人道精神を発揮していく考えを示した。
 
 

ランキング

新着