2025/08/05

Taiwan Today

外交

呉外交部長が「スウェーデン・ラジオ」に対し、「中国に台湾侵攻の代償知らしめる」

2023/03/15
呉釗燮外交部長(右)が9日、「スウェーデン・ラジオ(SR)」のインタビューに応じ、中国の軍事侵攻の時期を憶測するより自衛力の確保で台湾侵攻の代償を理解させるべきだと述べた。(外交部)
呉釗燮外交部長(=外務大臣)が9日、「スウェーデン・ラジオ(Sveriges Radio, SR)」のBjörn Djurberg北京支局長のインタビューに応じた。内容は13日に同局の「独占インタビュー」、「P1 Morgon」、「Ekot」などのニュース番組で放送された。
 
呉外交部長は、中国が昨年8月に米国のナンシー・ペロシ下院議長の訪台を口実に台湾海峡周辺で軍事演習を行ったこと、中国の軍機が度々台湾の防空識別圏(ADIZ)に侵入もしくは台湾海峡中間ラインを越えていること、そして認知戦をしかけて台湾の人心を乱していることを指摘、海峡中間ラインは過去数十年、両岸及び地域の平和と安定を守ってきたが、中国はその現状を破壊すると共に「台湾海峡は国際水域に非ず」とでたらめを言っていると批判した。続けて呉外交部長は、それ以外にも中国は国際組織で絶えず「台湾は中国の一部だ」とでまかせを言い、台湾侵攻の法的根拠を捏造しようとしており、これらはみな中国の脅威が現実に存在し、非常に深刻であることの証しだと訴えた。
 
呉外交部長は、中国の全体主義拡張の野心は台湾にとどまらず、いったん台湾海峡で有事となればインド太平洋地域の国々と全世界はみなその影響を受けることになると懸念し、台湾は理念の近い国々との防衛戦線確立に積極的に取り組むことでこの情勢に対応しようとしていると説明した。呉外交部長は、中国による軍事侵攻の時期を憶測するよりも自衛力を確保して中国に台湾侵攻の代償を理解させる方がよいとして、「戦争に勝者はなく、中国自身も勝者になれない」と強調した。一方で呉外交部長は、戦争への備えは全て行う必要があり、威嚇によって中国の台湾侵攻を抑止するとの考えを示した。
 
呉外交部長はまた、ウクライナの「小さいながらも大きな敵に立ち向かう」精神と国民全体でロシアによる侵攻に断固抵抗しようとする意志、ならびに国際的な支持の取り付けは台湾にかなりの啓発を与えたと説明。台湾の人々が国家防衛の揺るぎない決意で国家の主権と自由民主を全力で守っていくほか、政府も軍事力の革新を引き続き推進、非対称戦の戦力を高めると共に国際社会における友人をいっそう増やしていく考えを示した。そして最後に呉外交部長は、台湾が世界各国と関係を発展させていくことに中国が口出しする権利はないと強調した。
 
呉外交部長はインタビューの後で、外交部長の接客室に飾られているウクライナの前線で戦う兵士たちのサイン入りウクライナ国旗、キーウ市のビタリ・クリチコ市長と弟のウラジミール・クリチコ氏のサイン入りボクシンググローブ(クリチコ兄弟はプロボクシングの元世界王者)を紹介し、ウクライナの人たちの士気と決意は強力な隣国からの脅威に向き合う台湾にとって大きな励ましであり、人々を奮い立たせる効果があると評価した。
 
 

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