ドイツ連邦教育研究省(BMBF)のベッティーナ・シュタルク=ヴァッツィンガー大臣が21日、国家科学及技術委員会(旧科技部)の呉政忠主任委員(大臣に相当)の招きを受けて台湾を訪問し、台湾とドイツによる初めての科学・技術協力協定(STA)締結に立ち会った。呉主任委員とシュタルク=ヴァッツィンガー大臣は、科学技術分野での協力をさらに拡大することで一致した。ドイツ閣僚の台湾訪問は27年ぶりのことで、台湾とドイツの歴史に新たな一頁が刻まれた。
シュタルク=ヴァッツィンガー大臣は21日午前、まず国家及科学委員会で呉主任委員と会談し、その後、台北駐ドイツ代表処の謝志偉代表(=駐独大使に相当)とドイツ在台協会のJorg Polster代表(=ドイツの駐台大使に相当)によるSTA締結に立ち会った。この新たな枠組みの中で、台湾とドイツは科学技術分野での協力や交流をさらに拡大する。重点となるのは半導体、水素エネルギー、電池、人工知能(AI)などの分野。
ドイツの閣僚による台湾訪問は、1997年のギュンター・レックスロート経済大臣(当時)以来、27年ぶりのこと。呉主任委員は昨年11月のドイツ・ベルリン訪問の際、シュタルク=ヴァッツィンガー大臣に台湾訪問を強く要請していた。シュタルク=ヴァッツィンガー大臣の一行14人は21日、科学及技術委員会のほか、数位発展部や国立台湾大学を訪問。22日には南港高級工業職業学校内に設けられたシーメンス訓練センターを視察した後、教育部の潘文忠部長(=教育相)と会見し、華語文(=中国語)教学や半導体研究学院(台湾の各大学に設置されている半導体研究専門の大学院)などについて意見交換を行う。午後、国家実験研究院台湾半導体研究センター(台湾北部・新竹市)を視察した後、空港へ向かい帰国することになっている。