2025/04/28

Taiwan Today

外交

呉外交部長がNZ国営放送の取材に、「中国による太平洋地域への権威主義拡大に警戒を」

2023/05/08
呉釗燮外交部長が5月2日にニュージーランドの国営放送テレビ局から受けたインタビューの内容が7日に放送され、呉外交部長は中国による権威主義拡張への警戒を呼び掛けた。写真はインタビューの様子。こちら側と正面モニター内左が呉外交部長。(外交部)
呉釗燮外交部長(=外務大臣)が5月2日、ニュージーランドの国営放送テレビ局「テレビジョン・ニュージーランド(TVNZ)」の政治討論番組「Q+A」のリモート取材に応じた。インタビューの内容は「台湾、ニュージーランドの対太平洋投資促し、中国の『野心』について警告(Taiwan urges NZ to invest in Pacific, warns of China's 'ambition')」と題され、7日のゴールデンタイムに放送された。インタビューは「Q+A」のJack Tame氏が担当した。
 
呉外交部長はこの中で、台湾海峡での有事を防ぐための取り組みに言及、「中国がとりうる軍事行動に万全の準備をすることで中国の安易な台湾奪取の幻想を打ち砕き、その早まった企てを阻止する」と述べた。呉外交部長は、ロシア・ウクライナ戦争から台湾が受けた大きな啓発を三つ挙げ、「それは全国民が自己防衛の決意をより強めたこと、ウクライナがロシアの強大な武力に対抗する「非対称戦略」を政府が学んだこと、そして台湾は引き続き国際社会の支持を取り付けていかねばならないことだ」と説明した。呉外交部長は、国際社会の支持こそウクライナの抵抗を可能にしている原因であり、それはまた台湾の人々に「自分たちは孤独ではない」と感じさせ、国土防衛の決意をいっそう強固にさせると指摘。その上で、台湾は理念の近い国々と連携し、地域の平和と安定を共同で維持できることを望んでいると述べた。
 
呉外交部長は、「中国はまさに今、全世界に向けて権威主義を拡大しようとしている」とし、その野心が台湾海峡、東シナ海、南シナ海にとどまらず、すでに第一列島線を越えて太平洋へ、そしてさらにはインド洋からアフリカへと広がっていることを指摘。権威主義を広げさせることは民主の価値を危険にさらすことだとして、地域及び全世界の民主主義国はこの深刻な問題を直視し、団結し、共同で中国の野心を抑えつけなければならないと訴えた。
 
さらに呉外交部長は質問に応じる中で、中国は台湾ならびにニュージーランドにとって最大の貿易相手国だが、台湾は経済利益が国家全体の安全保障を脅かさないようにしていると説明、中国は近年絶えずその強力な経済力を振りかざし、とかく貿易を武器にしてオーストラリアやリトアニアなどの政策に影響を及ぼそうとしているがこれらの国々も対策を講じ始めたと指摘した。また、米国とオーストラリアが太平洋地域に投じる力を増やし、同地域の小さな国々の対中国依存度を引き下げると共に民主主義陣営との関係も強化させていると説明。呉外交部長は、中国が貿易を武器とすることに対してニュージーランドが警戒を高めるよう促すと共に、オーストラリア、米国、台湾と連携して太平洋地域により多くのリソースを投じ、地域の国々が中国の経済力を用いた圧迫の被害者とならないよう取り組んでいくよう呼びかけた。
 
呉外交部長はまた、台湾が国連(UN)、世界保健機関(WHO)、国際民間航空機関(ICAO)、国連気候変動枠組み条約(UNFCCC)など重要な国際組織から排除されていることに言及、「全て中国の妨害によるものであり、台湾人民に大変不公平だ」と中国を批判した。そして、「中国の圧迫に向き合い、台湾は国交樹立国ならびにニュージーランドのような理念の近い国々と引き続き連携し、具体的に貢献していく」と述べると共に、ニュージーランドがこれからも台湾の国際参与を支持してくれるよう希望した。
 
最後に呉外交部長は、台湾とニュージーランドがいずれも島国で先住民族の権益を尊重していること、また自由民主や人権、法の支配といった基本的な価値を共有していることを強調。「両国の関係は近年強まり続けており、今年3月にニュージーランド国会に初めて超党派の親台湾派議員連盟『台湾に関する全党友好議員グループ(All-Party Parliamentary Group on Taiwan)』が発足したことは並々ならぬ意義がある」と歓迎した。また、両国が共に「先住民経済貿易協力協定(IPETCA)」の創始会員国で、2013年の「台湾・ニュージーランド経済貿易協力協定(ANZTEC)」締結以来、二国間の貿易額が絶えず増加していることを指摘。「台湾はずっと国際貿易のルールを守っており、ハイレベルな規範を遵守する能力もある。ニュージーランドが台湾の『環太平洋パートナーシップに関する包括的及び先進的な協定(CPTPP)』」入りをいっそう支持し、双方の各分野における交流を深化させるよう望む」と述べた。
 
 

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