2025/06/08

Taiwan Today

外交

呉外交部長、独経済紙「ハンデルスブラット」の取材に応じる

2023/05/22
呉釗燮外交部長(右)が今月、ドイツの経済紙「ハンデルスブラット」の取材に応じ、ドイツは政策決定に関わる、より多くの政府高官を台湾に送り込み、交流を深めさせよと呼びかけた。(外交部)
呉釗燮外交部長(=外務大臣)が今月15日にドイツの経済紙「ハンデルスブラット(Handelsblatt)」の東京特派員、Martin Kölling氏によるインタビューに応じた内容が17日、「Taiwans Außenminister: “China bereitet sich auf Krieg vor”」(台湾外相:中国は台湾侵攻を準備)のタイトルで同紙とその公式サイトに掲載された。
 
呉外交部長はその中で、「中国が台湾海峡における軍事的脅威を絶えずエスカレートさせていることは戦争への準備をしているにほかならない」と指摘、世界の海運貨物の40%以上が台湾海峡を通り、先進半導体の90%以上が台湾で生産されているため、「台湾海峡の平和は世界の安定と繁栄に関わる問題だ」と訴えた。呉外交部長は、「欧州連合(EU)ならびに各国はこのことを厳粛に受け止めており、ドイツのアナレーナ・ベアボッグ外務大臣も『武力による台湾海峡の現状変更は受け入れられない』と繰り返し発言している」と述べた。
 
呉外交部長は、中国の指導者が台湾を対象にとっているのは孫子の兵法にある「戦わずして屈服させる」戦術で、その内容は台湾への軍事的圧力を絶えず拡大すること、台湾侵攻の軍事シミュレーションを頻繁に行うこと、戦闘機や無人機で台湾周辺の空をかき乱すこと、両岸対話を停止すること、経済的に圧迫すること、大量の偽情報を散布すること、そしてスパイ活動やその他グレーゾーン作戦などの「ハイブリッド戦争」だと指摘。さらに国際間で台湾を外交的に孤立させること、台湾の国際組織参与を妨害することで、「武力を用いず台湾を壊滅させる」という目的を達成しようとしているのだと分析した。
 
呉外交部長は、「台湾の人々には自己防衛の固い決意がある。また政府も国防力を積極的に強化、軍事革新にも取り組んでいる。民主主義のパートナー国の支持も取り付けており、共同で中国の早まった企てを阻止していく」と話した。
 
そして呉外交部長は、ヨーロッパの多くの国が、中国の圧力に屈して台湾との往来を制限してはいけないと考え始めたと強調。ドイツ教育研究省(BMBF)のベッティーナ・シュタルク=ヴァッツィンガー大臣がドイツの閣僚として26年ぶりに訪台したことはその明確な証しだと説明した。呉外交部長はドイツに対し、政策決定に関わる、より多くの政府高官に台湾を訪問させ、科学技術や教育、文化、経済などの面で交流し、より緊密な協力関係を築こうと呼びかけた。同時に呉外交部長は、ドイツがこれからも、世界保健機関(WHO)をはじめとする国際組織への台湾の参与を支持してくれるよう求めた。
 
「ハンデルスブラット」は1946年創刊。本部はデュッセルドルフで1日の発行部数は約14万部。
 
 

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