2025/05/16

Taiwan Today

外交

外交部の呉釗燮部長、「戦争回避のため各国は台湾情勢に関心を」と呼びかけ

2023/06/26
ドイツの国際公共放送ドイチェ・ヴェレ(Deutsche Welle)の政治討論番組「Conflict Zone」はこのほど、外交部の呉釗燮部長(外相)のインタビュー内容を放送した。呉部長は「戦争を回避するため、各国が台湾情勢に関心を寄せ、台湾とともに継続的に努力することが必要」と訴えた。(外交部)
中華民国(台湾)外交部の呉釗燮部長(外相)は6月20日、ドイツの国際公共放送ドイチェ・ヴェレ(Deutsche Welle)の政治討論番組「Conflict Zone」のナビゲーター、ティム・セバスチャン氏によるオンラインインタビューを受けた。インタビューの内容は21日(現地時間)夜に放送され、同番組公式サイト及びYoutubeチャンネルで公開された。以下は呉部長の発言の概要。
 
【継続的な努力があれば戦争は避けられる】
台湾は近年、中国による軍事的脅威にさらされている。特にロシアによるウクライナ侵攻が始まって以来、台湾を取り巻く情勢は世界の関心の的となっている。ロシア・ウクライナ戦争から台湾が得た教訓は、非対称戦争について学ぶと同時に、国民の自己防衛への決意をより強くし、国際社会から積極的に支持を取り付ける必要があるということだ。これらのことは、短期間内に台湾を奪取することが容易ではないことを中国に理解させることになる。台湾海峡で衝突が発生した場合、周辺地域の安定に影響を与えるだけではない。その衝撃は世界に及ぶだろう。すでに多くの国が、この事実を深刻に受け止め、台湾と協力して戦争を回避しようと努めている。各国による継続的な努力があれば、戦争はきっと避けられないものでも、一触即発のものでもなくなるだろう。
 
【各国の関心が必要】
台湾は重要な戦略的地位を持つ。世界の貨物の半数以上が台湾海峡を通過し、最先端の半導体チップの90%以上が台湾で生産されている。台湾海峡で戦争が発生すれば、世界のサプライチェーンが受ける破壊は深刻なものになり、世界経済に大きな災難をもたらすだろう。最近開催されたG7サミット(主要7カ国首脳会議)やEU・米国間の首脳会談及びその他の重要な首脳会談などで、多くの指導者が台湾海峡の平和と安定を維持することの重要性を繰り返し、いかなる一方的な現状変更、とりわけ武力の行使に反対すると表明しているのはこのためだ。最近欧州では新たな声も出ている。それは、台湾海峡の平和と世界の安全及び繁栄が不可分の関係にあるというものだ。国際社会はこれからも中国の対台湾武力行使の野心に関心を寄せ続け、台湾と一緒に戦争回避に努めて欲しい。
 
【台湾の防衛は台湾自身が責任を負う】
台湾の防衛は、我々自身が責任を負わなければならない問題だ。米国は『台湾関係法』に基づき、台湾に十分な武器供与を行い、人員の育成に協力し、そして台湾が万全の準備を整えられるよう協力するなど、台湾の安全保障に十分コミットしている。このほか、各国も具体的な行動によってこの地域の平和への重視を示している。例えば米国、カナダ、英国などは「航行の自由」として、自国の艦艇を台湾海峡に派遣している。日本は今後5年間で防衛費を倍増させると表明している。オーストラリアも先進的防衛力の強化に努めている。ますます多くの国が立ち上がり、台湾支持を表明している。それがたとえ道徳的な支持だとしても、台湾の人々が孤独を感じることがない。これはわが国にとって極めて重要なことだ。
 
【「一国二制度」は断固として受け入れられず】
台湾が挑発して戦争を引き起こすことはない。しかし、同時に台湾が中国の圧力に屈することもない。我々は一貫して中国との対話の再開に努めてきた。しかし、中国側は「台湾は中華人民共和国の一部である」との主張を曲げず「一国二制度」の受け入れを対話の前提に掲げている。これは台湾の人々にとって受け入れられないことだ。わが国の自由と民主主義の現状を維持する▽中国の統治は受け入れられない▽「一国二制度」も受け入れられない▽台湾は中国の一部となったり、第二の香港となることを断固拒否する―これらが台湾の人々のコンセンサスだ。
 
■放送された番組の内容はこちらでご覧いただけます。
https://youtu.be/JjrEfFWq4oc
 

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