中華民国（台湾）外交部は28日、台北市内の本庁舎大講堂にて、オセアニアに位置する国交樹立国であるツバルと、多機能沿岸警備艇2隻の無償供与に関する協定に調印した。在台ツバル大使館のBikenibeu Paeniu大使が同国政府を代表し、台湾の造船業者である罡旻企業有限公司(KARMIN INTERNATIONAL CO., LTD.)の胡彦儒総経理と調印に臨んだ。外交部の田中光政務次長（=副大臣）、海洋委員会の林超倫主任秘書、ツバル総督のトフィガ・ファラニ（Tofiga Falani）氏が証人として立ち会った。
田政務次長は挨拶で、ツバルの海洋資源保護、海上犯罪や「違法・無報告・無規制」（IUU）での漁業活動の取り締まりなどに協力するため、台湾とツバルが昨年9月に沿岸警護での協力を盛り込んだ協定を締結したことに言及した上で、沿岸警備艇2隻の無償供与は、主権や海洋資源を守るというツバルの決意への台湾の支持を示すものだと述べた。
ツバルのBikenibeu Paeniu大使は、台湾による沿岸警備艇の無償供与に感謝するとともに、ツバルの排他的経済水域では他国の漁船によるIUU漁業が横行していると強調した上で、台湾とツバルが同じ島国として、海洋事務や違法漁業の取り締まりなどの領域で今後も協力できるよう期待を寄せた。
ツバルに供与する沿岸警備艇は、協定調印後に建造に着工し、来年3月の完成・納品を目指す。台湾はオセアニアの国交樹立国であるマーシャル諸島、パラオ、ナウルにも沿岸警備艇各2隻を順次供与しており、今後はこれにツバルを加えたオセアニア4か国と沿岸警備分野での協力を展開する。同時に米国、豪州、日本など近い理念を持つ国々とも連携することで、インド太平洋地域の平和と安定、繁栄維持に寄与したい考え。