蔡英文総統は2日午後、日本維新の会の馬場伸幸代表が率いる「中華民国(台湾)友好勉強会台湾訪問団」の一行と会談した。一行はほかに、井上英孝衆議院議員、柳ケ瀬裕文参議院議員、音喜多駿参議院議員、東徹参議院議員、石井章参議院議員、柴田巧参議院議員、中司宏衆議院議員。
蔡総統は、台湾と日本は互いに重要なパートナーであり、自然災害などに遭遇するたびに助け合うなど「善の循環」を形成してきたとし、日本維新の会が2018年の花蓮大震災で義援金1,000万円を寄せてくれたことや、新型コロナウイルスの感染が拡大する中、日本政府がアストラゼネカ製ワクチン420万回分を無償供与してくれたことなどに感謝した。
蔡総統はまた、日本が近年、欧米各国とともに、国際的な場において台湾海峡の平和と安定の重要性を指摘し、世界保健機関(WHO)やその年次総会(WHA)に台湾が参加できるよう国際社会に支持を呼び掛けていることにも謝意を示した。蔡総統は、日本の参議院が2021年、WHAへの台湾のオブザーバー参加を認めるよう各国に呼び掛ける決議を全会一致で採択したことに触れ、日本の国会議員たちの努力のたまものであるとして、「台湾に対する真摯な友情」に改めて感謝した。
蔡総統はその上で、訪問団一行の議員たちが日本の国会でその影響力を発揮し、台湾のCPTPP(環太平洋パートナーシップに関する包括的及び先進的な協定)加盟を支持してくれるよう要請。台湾と日本が一緒になって地域経済の発展のために努力し、台日関係をさらにレベルアップさせようと呼びかけた。
これに対して馬場代表は、台湾と日本の結びつきは各方面で緊密になっており、その具体例として、2011年の東日本大震災で台湾から200億日本円を超える寄付が寄せられたこと、沖縄の首里城再建のため台湾から非常に貴重な紅ヒノキ5本が寄付されることなったことなどを挙げた。馬場代表は、台湾の政府や人々が常々日本に関心を寄せてることに感謝した上で、今後双方は安全保障、経済、観光などの分野で協力を深め、両国民の人的往来もますます緊密かつ活発になるだろうと述べた。
馬場代表は、日本維新の会の「中華民国(台湾)友好勉強会台湾訪問団」について、自由参加型の勉強会であり、日本維新の会の勉強会の中では唯一、対象地域を限定したものだと説明。これからも台湾がさまざまな領域でさらに発展できるよう最大限協力していきたいと語った。