バルト三国(エストニア、リトアニア、ラトビア)の各国会外交委員会の委員長らによる訪問団が6日から11日まで台湾を訪問した。メンバーはエストニア国会外交委員会のMarko Mihkelson委員長、リトアニア国会外交委員会のŽygimantas Pavilionis委員長、ラトビア国会外交委員会のRihards Kols委員長ら。蔡英文総統は10日午前総統府で一行と会談した。
蔡総統は席上、台湾とバルト三国はいずれも権威主義による統治とその後の民主化という歴史を持つほか、今はまたどちらも権威主義の拡張とサイバー攻撃などの脅威にさらされていると指摘、「このため両国は特に互いの境遇を自らのこととして受け止めることが出来る」と述べた。
蔡総統は、ロシア・ウクライナ戦争勃発以来、バルト三国が揺らぐことなくウクライナを支持し、全力で同国を支援していることに触れ、「民主の信念を守り抜く精神と行動だ」と敬意を表した。蔡総統はまた、台湾の人々もウクライナが自由を守ろうとする立場を強力に支持していると説明、これからもバルト三国及び各国と連携してウクライナの復興と再建を支援していく考えを示した。
エストニア国会外交委員会のMihkelson委員長は今回の訪台について、より深く台湾を理解すると共にさらなる協力の可能性を探り、民主主義同盟の団結を共に推し進めたいと説明。訪問を通じて台湾とバルト三国の間にはデジタル、情報セキュリティ、経済貿易、革新的な科学技術などの面で連携を強化できる可能性が大きいことがわかったと訪台の成果を強調した。
Mihkelson委員長は、「バルト三国と台湾はどちらも『民主主義の灯台』であり、巨大かつ侵略的な権威主義の隣国と向き合っている。そして自由を守ることがどれだけ困難であるかも知っている」と述べると共に、激動の時代に台湾を訪問したのは民主主義同盟の団結ぶりを示し、民主主義国が単独で戦うようなことがあってはならないと訴えるためだと説明した。同委員長はそして、「蔡総統の言葉どおり、今回の訪台は双方の友情に全く新しいチャプターを開くだろう」と述べ、今後の関係深化に期待を寄せた。