国連のナンバー2であるアミーナ・モハメッド副事務総長は今月15日、台湾の国連参加について記者から尋ねられた際、「誰一人取り残さない(leave no one behind)」という国連の理念を踏まえ、「台湾であれどの地域であれ誰もが重要だ。国連加盟国にとって、この問題の解決策を探すことは非常に重要であると考える」などと発言した。米国のメディアはこの発言を取り上げて「国連副事務総局長が台湾の国連参加に理解を示すのは極めてまれなこと」と報じた。また、これとは別に米下院の親台湾派議員連盟「台湾コーカス」に参加する4つの政党の共同代表らも台湾の国連参加を支持する声を上げた。こうした動きについて中華民国(台湾)外交部は謝意を示すとともに、中国の張軍国連大使の反論は「事実を無視した陳腐な論調」であると厳しく非難し、以下のニュースリリースを発表した。
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1971年10月25日に採択された国連総会第2758号決議(通称:アルバニア決議)は、中国の国連代表権問題を処理したにすぎない。決議の全文を通して台湾への言及はなく、国連体系において台湾を代表する権利を中華人民共和国に与えたわけでもない。さらには、台湾が中華人民共和国の一部であるとも言及していない。しかしながら中国は故意に、この国連総会第2758号決議に誤った政治的解釈を加え、さらにはこれを国際的なコンセンサスが得られていないいわゆる「一つの中国原則」と結びつける一方で、国連体系が不当に台湾の参加を排除するよう圧力を加え、台湾の人々が持つ国際参与という基本的人権を著しく侵害している。民主主義の台湾と専制主義の中国が互いに隷属しないということは、国際社会が公認する客観的事実であると同時に、台湾海峡の現状でもある。台湾の人々が選んだ政府のみが、国連体系等の国際的な場において台湾の2,300万人の人々を代表することができるのである。
台湾は国際社会における善良なパワーとして、そして責任ある一員として、国連が目指す「持続可能な開発目標(SDGs)」の実践に取り組んでいる。また、助けを必要とする国のキャパシティ・ビルディング(能力構築)を積極的に支援している。国連が台湾の参与を受け入れることは、全人類に恩恵を与えるだけではない。台湾を受け入れることで初めて、国連は「普遍的原則」や「誰一人取り残さない」という設立趣旨を実践できるのである。ゆえに外交部は、国連体系が中国の傍若無人な威圧を断固として拒否し、二度と国連総会第2758号に誤った解釈を与えないよう呼びかける。そして、まずはわが国のパスポートを所持する市民や記者の国連参観、会議への出席、取材を認めることからスタートして欲しい。