蔡英文総統が19日午後、米アリゾナ州のケイティ・ホッブス(Katie Hobbs)知事一行の表敬訪問を受けた。蔡総統はまず、「全ての台湾人民を代表して心から歓迎する」と述べると共に、前回ホッブス氏がアリゾナ州の州議会議員(上院)として訪台した2016年11月から7年近く、台湾とアリゾナ州は常にパートナーシップを深化させてきたと評価した。
蔡総統は、TSMC(台湾積体電路製造)が同州フェニックスに工場を建設中であることについて、「台湾と米国はこの協力プロジェクトを通じて地元の産業の発展を促せるほか、より安全かつ強靭なサプライチェーンを共同で構築することが出来る」と期待した。
蔡総統はまた、アリゾナ州の駐台弁事処(Arizona‑Taiwan Trade & Investment Office)が今年3月に正式に開設されたことを歓迎、様々な分野における双方の協力関係拡大を助けるものだと喜んだ。
今回ホッブス州知事は代表団と共に訪台し、国立台湾科学教育館とアリゾナ科学センターとの協力了解覚書の調印を実現、また、19日午前には中華民国対外貿易発展協会(TAITRA 日本での名称は台湾貿易センター)主催の「米国ビジネスデー」活動にも参加した。蔡総統は、これらについて「豊かな交流成果」と称えた。
続いてあいさつしたホッブス州知事は17日に立ち会った国立台湾科学教育館とアリゾナ科学センターの協力了解覚書の調印について、「この重要な協力関係は双方の科学、技術、エンジニアリング、数学などでの知識の共有に役立つ。また半導体やマイクロエレクトロニクス分野における人材の面での協力にも注力したい」と話した。
さらにホッブス州知事は、18日にTSMCなど台湾の企業関係者と対面したことを明かし、工場見学で目にした先進技術が印象的だったと述べた。そして「TSMCのアリゾナ州における工場設置は名誉なことだ。同プロジェクトが台湾とアリゾナ州との長年の協力関係をいっそう豊かにしてくれる」と歓迎した。
ホッブス州知事は、アリゾナ州と台湾との強力かつ堅固なパートナーシップは先進的な科学技術と共通の理念の上に育まれ、こうした関係は数十年にわたって支え合ってきたことで築かれたのであり、そこには文化、経済、学術、国防などでの協力が含まれると説明。そして、「アリゾナ州と台湾とのパートナーシップは世界で最も重要のパートナーシップの一つで、互いの貿易総額も32.74億米ドルを超える」と指摘、これらの投資は双方の人々の暮らしに大きな利益をもたらしているとし、「アリゾナ州政府は100%の決意で関係の継続的な強化に取り組んでいく」と強調した。