蔡英文総統が21日午後総統府で、米ニューメキシコ州のミシェル・ルーハン・グリシャム(Michelle Lujan Grisham)知事ら一行の表敬訪問を受けた。蔡総統は、台湾とニューメキシコ州の関係が過去8年でますます密接になっていることを歓迎。その例として2018年に運転免許の相互承認や教育面での協力に関する覚書を交わしたことを挙げた。蔡総統はまた、グリシャム氏が州知事に就任してからは経済貿易協力覚書が締結され、ニューメキシコ州の台湾における弁事処(事務所)も設置されたことに触れ、「双方の各分野における交流が促進されている」と評価。さらに台湾が昨年、ニューメキシコ州にとって6番目に大きい輸出市場、7番目に大きい輸入先になったことを指摘した。
蔡総統は、今後はグリーン経済が双方の協力を深める重要な分野になるとの見方を示し、グリシャム知事がここ数年クリーンエネルギーへの変革に積極的に取り組み、ニューメキシコ州のエネルギー全体に再生可能エネルギーが占める割合を2018年の19%から昨年の43%へと引き上げたことを称えた。
これに対してグリシャム知事は、前日(20日)にニューメキシコ州と台湾の和大工業(HOTA INDUSTRIAL)が共同で発表した投資プロジェクトについて説明。同州におけるメキシコとの国境付近に新工場を建設、和大工業が9,900万米ドルを投資して350人分の雇用を創出する。一方、州政府も雇用創出予算を通じて双方のパートナーシップに300万米ドルを投じる。さらに台湾の鎰勝工業(I-SHENG ELECTRIC WIRE & CABLE)、正美グループ(CYMMETRIK)も同州に工場を設置するという。
グリシャム知事は、こうした提携が実現するのはニューメキシコ州とメキシコとの国境地帯に巨大な経済的潜在力があるからだと指摘。投資してくれるパートナーたちとの成功及び繁栄を確保するため、州政府は数億米ドルを投じてサンタテレサ入国港(Santa Teresa Port of Entry)のインフラを整備しており、今後も連邦政府による予算でさらに拡張していくと、投資先としての魅力をアピールした。