外交部は23日、米ハワイのシンクタンク「イーストウエスト・センター」との合同事業である「太平洋島国青年リーダー育成計画(Pacific Islands Leadership Program with Taiwan、略称PILP)」の開講式を台北市内で開催した。開講式は外交部の政務次長(=副大臣)で、外交及国際事務学院の院長を兼ねる田中光氏が主催した。
この事業は、米国の元国務次官補(東アジア・太平洋担当)で、現在はホワイトハウスのインド太平洋調整官を務めるカート・キャンベル氏が2011年に提唱し、始まったもの。外交部外交及国際事務学院と「イーストウエスト・センター」が2013年以降、合同事業として実施している。太平洋の島嶼国の未来を担うリーダーたちを選抜し、台湾と米国の2か所で人材育成のトレーニングを受けるというもの。2020年から2022年まで新型コロナウイルスのパンデミックのため中断していたが、4年ぶりに再開されることになった。今年はナウル、ツバル、マーシャル諸島、パラオなど、中華民国(台湾)と正式な外交関係を持つ国々から19名の若者が参加。9月26日から4週間にわたり米ハワイでトレーニングを受けたあと、これから台湾で6週間のトレーニングを受けることになっている。カリキュラムの内容は気候変動、食糧の安全保障、海洋資源、環境のサステナビリティ、循環経済、太平洋の公衆衛生問題など。台湾滞在期間中は海洋委員会や原住民族委員会、新竹科学園区(サイエンスパーク)や高雄市鳳山の熱帯園芸試験所などを訪問するほか、国立台湾大学や国立政治大学などの関連の学科で、台湾の大学生たちと交流を深めることになっている。
2013年以降、太平洋の島嶼国からこのプログラムに参加した優秀な若者は158名に上る。多くは母国で政府、医療、教育、メディア、研究などの仕事をしている。受講生はカリキュラム終了後、台湾の各分野の発展に大きな感銘を受け、そして台湾に高い好感度を持つようになる。帰国後も母国で活躍し、中華民国(台湾)大使館などとの関係も良好なことから、台米の友好関係だけでなく、台湾と米国、そして南太平洋の三者の協力、共栄関係の推進にも貢献している。