蔡英文総統が30日午前、日本の対台湾窓口機関・日本台湾交流協会台北事務所の泉裕泰代表に「大綬景星勲章」を授与し、同氏の台日関係に対する卓越した貢献を表彰すると共に感謝した。
蔡総統は、台湾人民を代表して泉代表に「大綬景星勲章」を授与し、泉代表の台日関係に対する卓越した貢献を表彰すると共に台湾の最も誠実な謝意を表すと述べた。蔡総統は、過去4年間、泉代表による協力の下で台湾と日本は互いに支え合い、共同でコロナ禍を乗り越えたと指摘。また台湾と日本は10件に上る重要な協力協定を締結、それらは交通、環境、司法、若者などの面をカバーするもので、台日間の交流をますます多元的かつ緊密にしたと評価した。
さらに蔡総統は過去4年を振り返り、台湾と日本は、自由民主の価値を共有するパートナーはグローバルな課題に手を取り合って向き合うことが出来るほか、「善のサイクル」を生み出して地域の繁栄と発展に貢献出来ることを世界に証明したのだと強調した。
また蔡総統は、泉代表がかつて台日関係について「『唇亡歯寒』(一方がなくなれば他方も危うくなる関係を指す)で、かけがえのない仲間だ」と形容したこと、ならびに日本台湾交流協会のフェイスブックに、「日本はいつも台湾のそばにいる」と投稿したことを挙げ、「台湾に最大の支持をもたらした。我々がこのことを忘れることはない」と述べた。
続いてあいさつした泉代表はまず蔡総統から直接勲章を授与されたことについて「身に余る光栄」と喜び、「この4年間、台湾の政府や経済界、文化界、様々な分野の人々の協力を得て、気持ちのよい仕事ができた。日本の隣に台湾というかけがいのない友人が存在することのありがたさを身に沁みて感じる」として蔡総統はじめ台湾の人々にあらためて感謝した。
泉代表は、在任した4年間は蔡総統の二期目とほぼ重なっていたことに触れ、この間、世界の台湾を見る眼は大きく変化したと指摘。世界的サプライチェーンの再構築、コロナ危機、ウクライナ情勢などの国際情勢の変化と連動して台湾への国際的認知は広がり、深まったとの認識を示した。泉代表はそして、「蔡総統が双十国慶節の談話で述べたように、台湾は『世界の台湾』になったのだ」と強調、それは蔡英文政権のもたらした外交的成果だと称えた。
泉代表は、来年5月に総統を退任する蔡総統に対し、それまで台湾の平和と安全のため力を尽くし、台日関係のさらなる発展のため協力してほしいと要請した上で、「退任後には日本を訪問し、全国を周遊しながら講演会などを開いてもらえると嬉しい」と蔡総統の退任後の訪日に期待した。泉代表は、日本では台湾のニュースを目にしない日はないほど台湾への注目が集まっているほか、蔡総統は台湾初の女性総統であり、男女を問わず幅広い層の日本国民が関心を持っているので講演は多くの人々から歓迎されるだろうと語った。