日本の茨城県那珂市の先﨑光市長ら5名が30日、台湾南部・台南市を表敬訪問、黄偉哲台南市長が同市麻豆区の柳世雄区長と共に一行を歓迎した。先﨑市長はかねてから台北駐日経済文化代表処の謝長廷代表(大使)に対し、台南市との友好都市協定を希望していることを伝えていたが、今回は自ら台南市に乗り込み、黄市長と双方の交流及び友好都市協定締結の詳細を話し合うと誠意を示しており、両市が来年の「台南400」に合わせて同協定を結ぶ見通しとなっている。「台南400」とは、来年がオランダ人によるゼーランディア城(「安平古堡」とも。台湾最古の城堡)建設から400年の節目の年であることを示す。
黄偉哲台南市長は、台南市は「飛虎将軍廟」にまつわる歴史によって茨城県那珂市、水戸市などとの縁が生まれたとした上で、那珂市との協定締結後、文化やスポーツなどでの交流が両市の市民に恩恵をもたらすことに大いに期待した。特に黄市長は那珂市の子どもたちが台湾産バナナを給食で食べたことがあることに触れ、農産物の面でより多く協力して、子どもたちに文旦やマンゴーなど、台湾産のフルーツを味わえる機会を届ける考えを示した。「飛虎将軍廟」は第二次世界大戦時の日本の軍人、杉浦茂峰が神として祀られている。
先﨑市長は、茨城県議会議員だった時に何度も台湾を訪問したが、台南市は初めてだとし、黄市長に向けてブリーフィングと動画で那珂市を丁寧に紹介。また、「飛虎将軍廟」によって両市の縁が結ばれたこと、両市のお年寄りたちによるグラウンド・ゴルフの親善試合も開かれたことを説明した。先﨑市長は今回、烏山頭ダムと山海圳サイクリング道路も訪れるとして、今後台南市との間で自転車に関する交流が広がることにも期待を寄せた。
那珂市は日本の関東地区、茨城県の県央に位置する。東京からは約100キロメートル。同市は「飛虎将軍廟」の祀る杉浦茂峰の母親の出生地で、その歴史がきっかけとなり台南市と那珂市との交流が実現。訪問団は今回も同廟を参拝する。台南市は茨城県の複数の都市と密接な交流を続けている。土浦市とは今年友好交流協定を結んだ。また、県庁所在地の水戸市との交流も頻繁。