自由のためにウクライナへ渡った台湾人義勇兵、曽聖光さんが昨年11月、ロシアとの戦闘で命を落とした。ウクライナのゼレンスキー大統領は曽さんの死後、勲章を授与してその功績を称えた。中華民国(台湾)政府は、曽さんの死から丸1年が経つのを機に「聖光計画」と名付けたプロジェクトを立ち上げ、自由のために戦った曽さんの精神を記念することを決めた。
その一環として外交部と中華文化総会はこのほど、台湾の新進気鋭のデザイナー、鍾宜紋さんに依頼して「台湾挺自由(Taiwan Stands Up for Freedom、台湾は自由のために立ち上がる)」というコンセプトを伝えるロゴをデザインした。今後台湾はこのロゴを通して、台湾が「自由の戦士」であり、自由や民主主義といった普遍的価値を断固として守るというメッセージを伝えていく。外交部は、台湾とウクライナが同様に民主陣営の最前線にあること、自由と民主主義を守るためのパートナーであること、ともに権威主義の拡張に抵抗していることなどを挙げ、「これからもウクライナが彼らの国土を守り、再建することを強く支持していく」とする姿勢を示している。
このロゴは、曽さんが台湾先住民族の一つ、サキザヤ族出身だったことをヒントにデザインされた。ロゴの中央にある輪は、刺竹と呼ばれるトゲのある竹で周りを囲ったサキザヤ族の大集落、達固湖湾(タコボワン)を象徴している。それを囲む青や黄色のドットは、台湾の多様性と団結を意味する。それはまるで暖かい太陽が大地を明るく照らすようでもあり、自由と団結の力が太陽の光と同じように、権威主義との戦いで助けを必要としている世界のあらゆる片隅に降り注ぐイメージを表現している。なお、青と黄色の配色はウクライナ国旗に由来し、ドットでT(台湾)とU(ウクライナ)の文字を構成している。
台湾のウクライナ支援は今後も継続される。外交部は今後、繁体字中国語、英語、ウクライナ語で書かれた「台湾挺自由(Taiwan Stands Up for Freedom)」のメッセージとこのロゴを、ウクライナ関連の支援プロジェクトに使用していくとしている。
ウクライナと自由及び民主主義を守るあらゆる国々に対して、自由のために立ち上がる台湾の存在をアピールするのが狙いだ。