2025/05/29

Taiwan Today

外交

外交部の呉釗燮部長、日本の「共同通信加盟社論説研究会」訪問団の取材受ける

2023/11/17
外交部の呉釗燮部長(外相)は15日、日本の「共同通信加盟社論説研究会」の訪問団の合同取材を受けた。共同通信社の永井利治論説委員長を筆頭に、計16社の報道記者が参加した。(外交部)
外交部の呉釗燮部長(外相)は15日、日本の「共同通信加盟社論説研究会」の訪問団の合同取材を受けた。共同通信社の永井利治論説委員長を筆頭に、計16社の報道記者が参加した。共同通信社は同日、「中国に『挑発も屈服もせず』 台湾外相、連携強化を訴え」のタイトルでインタビューの内容を報じた。呉部長の発言の概要は以下のとおり。
 
【民主陣営の結束が顕著に】
米中対立とロシアのウクライナ侵攻などにより、近年台湾を取り巻く国際環境は大きく変化した。民主主義陣営と権威主義陣営の地政学上の対抗が激化し、民主国家間の団結も顕著になってきている。欧米あるいはインド太平洋地域の民主国家などはいずれも台湾をパートナーとみなしている。また、台湾は欧州の友好国との連携を通してウクライナを支援しており、欧州でも台湾支持の声が高まってきている。台湾は日本とも、各分野で連携を強化し、民主陣営の結束を示したいと願っている。
 
【中国の拡張を阻止して戦争を抑止】
中国はインド太平洋地域でその勢力を拡張させており、近隣諸国に脅威を与えている。例えば中国は、領有権を巡って日本と争議のある海域に、頻繁に艦艇を出没させている。日本はこれに大きな不安を感じているはずだ。ゆえに民主国家は、中国がその勢力をさらに拡張させ、台湾、日本、フィリピン等に影響を及ぼすことがないように努力をしなければならない。また、米国、カナダ、豪州などの国々も南シナ海の水域で、無害通航や自由通航の任務に当たる際、中国の干渉を受けている。こうした状況の中、米国は同盟国と一致した行動をとり、中国との安定した関係を築いて情勢の悪化を防ぐと同時に、日本、米国、豪州、韓国、それに欧州連合(EU)などとの盟友関係を強化し、戦争の発生を抑止しなければならない。
 
【台湾総統選挙への中国の介入に注意を】
中国は現在、台湾にグレーゾーン事態や認知戦を仕掛け、台湾が屈服するよう企んでいる。台湾は一方で中国の挑発をかわし、中国に戦争発動の口実を与えないようにしながら、もう一方では中国の威圧に断固屈しないようにしている。中国は現在、さまざまな方法を通して台湾の総統選挙に介入し、選挙結果に影響を与えようと試みている。台湾以外の民主国家も中国による選挙介入の脅威を感じているだろう。米国はすでに中国に対して台湾の選挙に介入しないよう呼びかけている。台湾としては、日本もこれに続くよう願っている。
 
【台湾と日本】
台湾と日本の絆は強く、自然災害があれば助け合ったり、観光目的の人的往来も活発だ。例えば福島第一原発の処理水が放出されたとき、中国はただちに日本のあらゆる水産品の輸入を止めた。しかし、台湾は科学的根拠を基礎に対応することにこだわった。
 
【中東情勢による影響は】
中東情勢の不安定が米国の台湾関与に影響するのではないかという見方があるが、アメリカの政府、国会、政策コミュニティなどは決して台湾への関心を弱めてはいない。また、日米両国や米日韓は同盟のレベルを引き上げている。アメリカ、イギリス、オーストラリアの3か国による安全保障の枠組み「AUKUS」も台湾を非常に重視している。アメリカは、日本、オーストラリア、カナダなどと連携してフィリピンが中国の脅威に対抗できるようにもしており、これは間接的に台湾支援につながっている。民主国家による台湾支持は、すでに一つの趨勢となっており、他の地域情勢の影響を受けない程度になっているのだ。欧米のハイレベル会談、G7外相会合、あるいは米サンフランシスコで開かれたAPEC(アジア経済協力会議)での米中首脳会談においても、台湾は重要な議題となっている。台湾は、米国の台湾に対する立場は非常に一貫し、台湾への支持を力強く示していると理解している。日本も、米国の台湾支持の立場がいかなる影響も受けないように努力してくれている。日本政府の努力に、台湾は心から感謝する。
 

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