2025/05/04

Taiwan Today

外交

呉外交部長がアルゼンチン紙に対し、「経済停滞と約束破りの中国との往来は慎重に」

2023/12/07
呉釗燮外交部長(右)がアルゼンチンの日刊紙「Infobae」の取材に応じ、「ラテンアメリカ諸国は、経済的に停滞し、約束も破る中国との往来にはいっそう慎重に」と呼びかけた。(外交部)
呉釗燮外交部長(=外務大臣)が今月1日にアルゼンチンの日刊紙「Infobae」米国版によるインタビューに応じた内容が4日、「中国の経済成長はスローダウン、ラテンアメリカ諸国は中国との往来にいっそう慎重になるべき」と題されて同紙に掲載された。インタビューを行ったのは同紙米国版編集長のLaureano Izquierdo氏。
 
呉外交部長は、かつて中国経済が絶えず成長し続ける中、多くの国が中国と手を結ぶことで自国の経済発展を促せると考えたとした上で、「中国は公開できない手段で政治家を引き込み、指導者層の支持を取り付けたが、一方で約束事を守らず、多くの国が建設プロジェクトの中断や債務の罠にはまる事態に陥った。このため中国と付き合う際にはいっそう気を付けなければならないのだ」と語った。呉外交部長は、この点で台湾は経済的に中国に過度に依存しないよう努めているほか、ハイテク分野で世界をリードする地位を保っていると説明、「台湾はこうした中国との交流経験を各国と共有する用意がある」と述べた。
 
両岸関係の見通しについて呉外交部長は、中国との対話について台湾はオープンな態度であり、政治的な前提を設けない条件下で対等な対話をする用意があると説明、蔡英文総統も2016年の総統就任以来、対中国対話に善意を示してきたが、中国側の立場は依然硬直的で、台湾が「一つの中国原則」と「一国二制度」を受け入れることを前提としているほか、軍事的な威圧を行うなど非常に非友好的だと批判した。呉外交部長は、台湾は今後も台湾海峡の平和と安定に責任を負い、台湾海峡の現状を維持し、中国に対話を呼びかけていくと強調、一方で自衛力の強化に努め、民主主義国の支持を取り付けることで中国の向こう見ずな行動を抑止するとの考えを示した。
 
続けて呉外交部長は、中国は内部の腐敗、経済の衰退、不動産価格の下落、地方自治体の財政破綻や若者の失業問題などを抱えているため、外来の危機感をあおって国内の反体制圧力をかわそうとする恐れがあり、各国はこれに注意を払う必要があると指摘。また、蔡総統が11月末に「ニューヨークタイムズ」に対して語ったことに触れ、「中国には様々な内部的問題があるが、台湾と米国の分析では両岸の戦争は間近に迫っているわけではなく、避けられないものでもない」と述べ、友好的な国々と共に努力し、戦争の発生を抑止していく考えを示した。
 
中国が台湾海峡を封鎖する可能性について聞かれた呉外交部長は、中国が空と海を封鎖することで台湾を脅迫したならば国際社会が黙ってはいないだろうと分析。その理由として、全世界の約50%の貨物が台湾海峡を通り、半導体の約60%、先端半導体の90%が台湾で生産されており、仮にこの重要な国際航路とサプライチェーンに支障が出れば、その影響は台湾のみならず全世界の経済にも波及し、ロシア・ウクライナ戦争を上回る深刻な事態になるからだと説明した。呉外交部長は、国際社会はこの点をはっきりと理解しているため各国の指導者たちは様々な会合の声明で台湾海峡の平和の重要性に触れ、台湾海峡の平和と安定が世界の安全保障と繁栄のため欠くことの出来ない部分だと明確に指摘しているのだと述べた。
 
 

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