ベルギーの地域議会の一つ、ブリュッセル首都圏地域議会は今月23日、「台湾の地位に関する決議案(Proposition de résolution relative à la place de Taïwan sur la scène internationale)」の審議と表決を行い、賛成70票、棄権10票、反対0票でこれを採択した。ブリュッセル首都圏地域政府に対して、ベルギー外務省がアジア太平洋地域の緊張した情勢を緩和するための外交を行うよう奨励することを求めると同時に、ブリュッセル首都圏地域議会が台湾の世界保健機関(WHO)、国際民間航空機関(ICAO)、気候変動に関する国際連合枠組条約(UNFCCC)などの国際組織に参加することを支持することを表明するもの。さらには、台湾とブリュッセル首都圏地域のビジネス交流促進を支持し、欧州委員会に対して台湾との商業及び工業分野での協力拡大や、台湾とのパートナーシップの強化などを奨励している。
ベルギーでは、2020年7月にベルギー連邦議会代議院(=下院)が、2021年3月にフランデレン地域議会が、2021年3月にベルギー連邦議会元老院(=上院)が、2022年10月にワロン地域議会が、それぞれ台湾に友好的な決議案を採択しており、今回のブリュッセル首都圏地域議会を合わせると、ベルギーの連邦議会及び地域議会による台湾に友好的な決議の採択は5件目となる。また、ブリュッセル首都圏地域議会が、決議という方法を通して台湾とベルギーの二国間関係への支持を表明したのはこれが初めて。
ベルギーの政治体制は特殊で、何度かの憲法改正により「連邦制」が確立されているが、使用言語によってオランダ語、フランス語、ドイツ語の3つの言語共同体が存在し、さらにフランデレン地域、ワロン地域、ブリュッセル首都圏地域に分けられている。各地域は政府と議会を持ち、地域政府が諸外国の政府と条約を締結したり、二者間の関係を推進する権力を持つ。
外交部は、「今回、ブリュッセル首都圏地域議会が圧倒的多数で台湾に友好的な決議を採択したことは、台湾とベルギーが同じく民主主義、自由、人権といった価値に立脚する近い理念を持つパートナーであることを浮き彫りにするものだ」として謝意を示すとともに、今後もブリュッセル首都圏地域議会及び政府と交流や協力を深め、双方の友好関係を育んでいきたいとしている。