2025/05/12

Taiwan Today

外交

欧州議会議員28名、中国による台湾海峡上空の民間機航路の一方的変更に抗議

2024/03/19
台湾海峡上空を飛ぶ民間機の飛行ルートを中国が一方的に変更したことに抗議するため、欧州議会の議員ら28名が今月13日、国際民間航空機関(ICAO)理事会議長などに宛てて共同書簡を発出した。(外交部)
欧州議会副議長で交通委員会の副委員長を兼ねるJan-Christoph Oetjen氏を含む欧州議会の超党派議員28名が13日、中国が台湾海峡上空を飛ぶ民間機の飛行ルートを一方的に変更したことに抗議し、サルバトーレ・シャキターノ国際民間航空機関(ICAO)理事会議長、ウルズラ・フォン・デア・ライエン欧州委員会委員長、シャルル・ミシェル欧州理事会議長、ジョセップ・ボレル欧州連合外務・安全保障政策上級代表、アディーナ・ヴァレアン運輸担当欧州委員宛てに共同書簡を発出した。
 
中国民用航空局は、台湾の総統選挙後の1月下旬になって、台湾と事前の協議を行わないまま、台湾海峡上空を通る民間機の飛行ルートのうちM503を従来よりも「中間線」に近いルート(つまり台湾寄り)に変更したほか、中国の福州から東に向かうW122と、同アモイから東に向かうW123の支線航空路の運用を開始した。書簡では、中国当局がこれに関して交通上の需要を証明するいかなる根拠も提示していないことを批判。この決定は中国の政治的動機から生じたものであり、台湾及びそれを取り巻く地域の安定と安全に危害を加えるばかりか、金門・馬祖などの離島地域の航空管制の複雑さを増し、事故発生のリスクを高めることにつながると指摘。「欧州議会の議員の間では、航空インフラが地政学的競争における威圧の手段として利用されているとして懸念が高まっている」と訴えた。書簡ではまた、中国がICAOの規定を守らず、台湾と事前の協議を行わなかったことは、台湾がICAOに参加する権利を否定すると同時に、世界の航空安全にも損害をもたらすものだとして、ICAOに対してもこの件に関心を寄せるとともに、関係各所に既存の規定の順守を求めるよう呼びかけている。
 
この共同書簡への署名には、欧州人民党(EPP)、欧州刷新(Renew Europe)、欧州保守改革(ECR)、欧州緑の党・欧州自由同盟(GREENS/EFA)といった欧州議会を代表する4つの政治会派に所属する議員が参加している。これは、中国による一方的な現状変更という行為に欧州議会が懸念を示すとともに、台湾海峡の平和と安定に対して高度な共通認識を持っていることを意味している。
 
外交部は19日に発表したニュースリリースで、この動きを歓迎するとともに、「台湾はインド太平洋地域の責任ある一員として、欧州議会など近い理念を持つパートナーとの連携を強化し、世界及び地域の安全と繁栄をともに守っていきたい」とする立場を示した。
 
 

ランキング

新着