蔡英文総統と頼清徳副総統がそれぞれ、9日午後に開かれた日本の超党派議員連盟・日華議員懇談会(以下、「日華懇」)の2024年度総会にビデオメッセージを寄せた。
蔡総統はビデオメッセージの中で、「4月に台湾で震災が起きた際に日華懇をはじめとする日本の国会及び民間の人々が相次いで関心を寄せ、募金活動を発起したことは今後の被災地再建のための温かい力になった」と述べると共に、日華懇が毎年、台湾の国際参与支持の決議を行っていることに感謝した。
蔡総統は、現在の激動する国際情勢や気候変動など世界的な課題に向き合う中、台湾と日本が引き続きパートナーシップを深め、互いの協力を地域さらには全世界での民主主義の模範と出来ること、そして世界の繁栄と発展により多くの貢献が出来ることに期待した。蔡総統はまた、引き続き日本との友好関係を促進し、新たな交流を切り開いていく考えを示した。
頼副総統は、日華懇と台湾との友情はすでに半世紀を超え、日華懇は台日関係のため長年重要な役割を果たしてきたと指摘し、「毎年台湾の国際参与を支持する決議を行っているほか、コロナ禍では台湾と日本がワクチンやマスクなどの医療物資を互いに寄付し合う支援を実現した。台日関係を大きく発展させた」と述べてその働きを称えた。
頼副総統は台湾と日本との関係について、自然災害や感染症に共同で立ち向かうほか、民主主義の道を手を携えて歩むパートナーでもあるとし、日本の岸田首相が先ごろ行われた日米比首脳会談で台湾海峡の平和と安定を維持することの重要性に言及したことに触れ、「台湾の全ての人々に代って民主主義のパートナーに改めて深く感謝する」と述べた。
頼副総統は、台湾と日本は歴史、地理、経済、政治などで深く結びついているとし、「双方の間には一本の無形の線があり、我々をきつく一つに結びつけ、生死を共にする運命共同体にしているようだ」と説明、その上で、「台湾有事は日本有事で日本有事は台湾有事である」との見方を示した。
20日に総統に就任する頼副総統は今後について、蔡総統が築いた良好な基礎の下、台湾の人々を率いて日本をはじめとする理念の近い国々との交流を広げていくと言明すると共に、台湾と日本がこれからも互いに関心を寄せ、助け合い、共に成長することで互いに信頼し合うパートナーとなり、インド太平洋地域の平和と安定のため共により多くの貢献が出来るよう願うと述べた。最後に頼副総統は、20日の総統就任式で日華懇のメンバーと再会出来ることに期待した。