頼清徳総統が26日午前総統府で、イギリス在台弁事処のJohn Dennis代表と会談、Dennis代表の過去4年にわたる台湾とイギリスとの関係深化のための努力と貢献に感謝した。
頼総統は、台湾とイギリスが昨年末に始動した「貿易強化パートナーシップ(Enhanced Trade Partnership, ETP)」に触れ、「台湾にとって欧州の国家と初めて築いた、経済貿易関係強化に向けた枠組みの基礎で、台湾とイギリスとの関係発展の新たなピークであると共に斬新な交流モデルだ」と評価。その上で、イギリスが年末に「環太平洋パートナーシップに関する包括的及び先進的な協定(CPTPP)」参加の手続きを終えたあと、具体的な行動で台湾の加入を支持して台湾とイギリスとの連携を強化し、共に全世界の繁栄と発展を促進していけることに期待を寄せた。
頼総統はまた、イギリスで発足した新政権の下、双方の関係が引き続き深まることに期待すると共に、近年イギリス政府と議会が党派を超えて台湾を強く支持していることに深く感謝した。頼総統は具体的な例として、G7(主要7カ国)の会議など国際的な場でイギリスが台湾海峡の平和と安定の重要性に言及していること、台湾の国際組織参与に対する支持が従来より強まっていることを挙げた。さらに頼総統は、事務局をロンドンに置く「対中政策に関する列国議会連盟(IPAC)」が今年台湾で年次総会を開き、イギリスを含む23カ国及び欧州議会から49名の議員が中国の圧力を顧みず参加したことについて、各国の議員が参加した過去最大規模の訪問団だったとしてイギリスのサポートに謝意を表した。
イギリス在台弁事処のDennis代表は、イギリスと台湾はいずれも新政権となったものの双方共通の利益は依然として一致していると指摘。イギリスは、欧州と大西洋及びインド太平洋地域の繁栄と安定は切っても切り離せないものだと考えており、キア・スターマー新首相とデービッド・ラミー外務大臣はいずれも自由で開かれたインド太平洋地域の維持に全力を尽くすとのコミットメントを改めて表明していると説明した。Dennis代表はまた、台湾はそうした国際情勢の中で極めて重要な役割を果たしており、地理的にどれだけ離れていようが台湾に関する動きは全てイギリスならびに全世界に影響すると強調。また、イギリスが長年とってきた台湾に対する政策は変わっておらず、それは台湾海峡の平和と安定を明確に支持し、一方的な現状変更に向けた企てには反対することだと指摘した。
なお、台湾のCPTPP加入問題についてDennis代表は、イギリスは加入までのプロセスと経験を台湾と分かち合う用意があると述べた。