頼清徳総統は27日、国家安全会議の呉釗燮秘書長、外交部の林佳龍部長(外相)が同席する中、日本の対台湾窓口機関である公益財団法人日本台湾交流協会(東京都港区)の大橋光夫会長の表敬訪問を受けた。頼総統は大橋会長の訪台を歓迎するとともに、大橋会長が2011年の会長就任以降、長期にわたり台日関係の増進に寄与してきたことに感謝した。
頼総統は、2011年の大橋会長の就任以降、台湾の対日本窓口機関である台湾日本関係協会と、日本の対台湾窓口機関である日本台湾交流協会という2つの枠組みの下、台湾と日本が数々の協定やMOU(覚書)に調印してきたことに触れ、「台湾と日本の友好関係の発展は誰の目にも明らかだ」と述べた。また、今年5月20日に行われた総統就任式には日本から過去最多の議員が参列したこと、それ以来、現在までに台湾で会談した日本の国会議員は40人を超えることなどを挙げ、これらは台湾と日本の関係の深化を象徴するものだと述べた。
頼総統はまた、今回の大橋会長の訪台が台日海洋協力対話第6回会合に出席するためのものであることを踏まえ、「海洋の探索は国家の発展にとって重要だ。台湾と日本が海洋分野で引き続き対話を続け、より多方面で協力関係を構築できるよう期待している」と述べた。
頼総統は、日本政府が台湾の国際参与を支持する立場を繰り返し表明していることに謝意を示した上で、台湾はこれからも「環太平洋パートナーシップに関する包括的及び先進的な協定(CPTPP)」を含む地域経済統合への参加を目指すと同時に、日本政府との二国間貿易協定締結にも意欲を示しているとして、引き続き日本政府に理解を求めていきたいと述べた。
日本における中華民国大使館に相当する台北駐日経済文化代表処(東京都港区)では謝長廷代表が8年の任期を終えて帰国し、まもなく新代表である李逸洋氏が赴任することになっている。頼総統は、引き続き大橋会長の支持を得て、ともに台日友好のために新たな局面を生み出せるよう努力したいと伝えた。
これに対して大橋会長は、頼総統が国家元首になる以前から、頼総統とは長期にわたり友好関係にあり、友人として親密な関係を築いていたとした上で、現在台湾と日本が重要なタイミングを迎える中で、頼総統とともに台日関係を増進していけることを楽しみにしている述べた。
大橋会長はまた、「台湾と日本は考え方や理念の大部分が一致しており、世界でも最も良好な二国間関係にある。これは世界に例を見ないもので、世界各国の二国間関係にとって手本となりうる。自分は日本で常々、『日本は台湾のために何ができるか、そして台湾は日本のために何ができるか』と言っているが、お互いが相手を思いやり、その方向に向かって努力していけば、台湾と日本の緊密な関係は世界に誇れるものになるはずだ」と述べた。