国家安全会議(国安会)の李育杰諮問委員がこのほど代表団と共にオーストラリアのシドニーを訪れ、2日にはオーストラリア戦略政策研究所(ASPI)主催の「The Sydney Dialogue」(シドニー・ダイアログ)に出席した。「シドニー・ダイアログ」はオーストラリアにとって情報セキュリティと新興テクノロジーに関する年に一度の大型イベントで、オーストラリア、米国、英国、リトアニア、オランダ、フィリピン、日本、シンガポール、パプアニューギニア、トンガ、そして台湾など30カ国から産官学の関係者が参加し、人工知能(AI)の応用、複合型脅威への抵抗、インド太平洋地域におけるデジタル・コネクティビティの未来、デジタルインフラ、強靭な経済の構築、デジタル産業のイノベーション、デジタル時代における政府全体の国防体制、ニセ情報及び民主主義などについて話し合った。
李諮問委員は「Designing technology for democracy」(民主主義のための技術のデザイン)のセッションでオーストラリア外務貿易省のBrendan Dowlingサイバー問題及び重要技術担当大使と対談し、台湾がAIに関するサプライチェーンで欠くことの出来ない地位にあることを説明すると共に、ニセ情報など新興の複合型脅威に対して台湾がどのようにテクノロジーを活用してデジタル強靭化を進め、民主主義の価値を守り通しているかを紹介した。
Dowlingサイバー問題及び重要技術担当大使は台湾の民主主義を大いに称賛すると共に、「台湾は地政学的な環境からくる圧力に常にさらされながら『ネットワークの安全保障は国の安全保障』との立場を堅持している」と指摘。台湾はオーストラリアにとって情報セキュリティ分野で最良のパートナーであるとの認識を示した。
李諮問委員一行は「シドニー・ダイアログ」の参加を通して、理念の近い国々の多くと交流し、協力のための契機を模索した。李諮問委員には徐佑典駐オーストラリア代表、数位発展部資通安全署(=デジタル発展省情報セキュリティ署)の鄭欣明副署長、国家資通安全研究院の林盈達副院長、資訊工業策進会(III)資安科技研究所(CSTI サイバーセキュリティ技術研究所)の許建栄総監らが同行した。