今年の双十国慶節（10月10日 建国記念日に相当）を祝うため、外交部（日本の外務省に相当）がこのほど新たなショートフィルム『民主和平繁栄的新台湾』（民主的で平和かつ繁栄する新台湾を築く）を制作した。「民主主義」、「平和」、「繁栄」、「台湾の新世界、世界の新台湾」の4つのチャプターが「民主主義世界の光」、「世界平和の舵取り」、「全世界の繁栄の推進者」としての台湾の重要性を強調し、台湾が自信に満ちて勇敢に世界に歩み出すさまを表現すると共に、世界が「台湾の胸に飛び込んでくる」のを歓迎する姿勢を示す。
「民主主義」の章では、今年台湾が総統選挙を円滑に終えたこと、国会での議論、「国民法官」（裁判員制度）、同性婚合法化、自由度や民主主義指数で世界をリードしていることなどを通じて台湾社会の民主主義、自由、多元的な価値が「世界民主鏈（世界の民主主義チェーン）」での注目の的となり、「民主世界の光」になっていることをアピールする。
「平和」の章では台湾が第一列島線の重要な戦略的地位にあり、地域を平和に導く舵取りの役目を担っていることを強調する。台湾が国交樹立国と友情を深めると同時に、世界の民主主義国とも積極的に協力して平和の共同体を形作っていることをアピール。また政府は国防を強化し、国軍は揺らぐことなく国家主権を守り、台湾海峡の平和と安定の維持に努めるという揺るぎのない意志を示す。さらに台湾は各地の被災者を救済するための国際的な取り組みに参与、各国の開発のための国際的な協力プロジェクトも積極的に推進するなど世界の「善のパワー」になっていることを伝える。
「繁栄」の章では台湾の半導体産業、人工知能（AI）技術、ドローン、航空宇宙産業などのハイテク産業、ならびに紡績、精密機械など従来型産業で「隠れた王者」となっている産業の充実した「イノベーション力」をアピール。台湾が「世界の民主主義国によるサプライチェーン」の中で重要な位置を占め、世界の繁栄を後押しする立場にあることを強調する。
そしてラストの「台湾の新世界、世界の新台湾」の章では、多元性と包摂性豊かなエスニックグループの融和、宗教の自由、伝統性と現代性の共存といった台湾の姿を表現。最後に今年のパリ五輪で活躍した台湾の選手たちの姿を加え、台湾の人々が心を一つに団結して双十国慶節を祝う気持ちを世界の友人たちにも感じてもらおうとしている。
同ショートフィルムは頼清徳総統が総統就任演説で示した国家ビジョンを柱に、台湾における民主主義の進歩ぶりと多元性の繁栄する現況を伝える。完全版は約5分間で、台湾華語のほか、英語、スペイン語、ベトナム語、タイ語など13言語のバージョンが作られた。外交部の公式ウェブサイトのほか、フェイスブック、インスタグラム、X（旧ツイッター）などのSNSで観ることが出来る。