中華民国(台湾)の国交樹立国、ツバルのフェレティ・テオ(Feleti Penitala Teo)首相夫妻は8日、中華民国政府の招きを受け、代表団を率いて台湾を訪れた。一行は12日まで滞在し、双十国慶節(10月10日、建国記念日に相当)祝賀イベントに出席する。代表団のメンバーは、ポールソン・パナパ(Paulson PANAPA)外務・労働・貿易大臣、Tufoua Panapa官房長官、Pasuna Tuaga外務・労働・貿易事務次官らを含む総勢10名。テオ首相は、2月の首相就任以来、2度目の台湾訪問となり、台湾とツバルの幹部における緊密な交流、両国間の強固な友好関係を示している。中華民国外交部(日本の外務省に相当)の林佳龍部長(外相)は同日午前、政府を代表して代表団を出迎えた。
代表団は台湾を訪問中、頼清徳総統と会談したほか、林佳龍部長が主催する晩餐会や国慶節祝賀イベントに主賓として出席する。さらに台湾南部・高雄市も訪れ、陳其邁高雄市長を表敬訪問し、台湾・ツバル遠洋漁業協力交流茶話会にも出席する予定。台湾の地方政府とツバルの交流を促進し、二国間漁業協力を深化したい考えだ。
以下は、頼総統とテオ首相の会談要旨。
頼総統:テオ首相は、国連総会において、ツバルが気候変動と海面上昇による二重の脅威に直面していることに言及した。海洋国の台湾も同様の認識を持っている。総統府は、気候変動リスクへの台湾の適応メカニズムを強化するため、あらゆる分野からの力を結集した「国家気候変動対策委員会」を立ち上げた。経験や対策を共有するために他国との交流も強化していきたい。台湾とツバルはここ数年、ツバル海岸適応プロジェクト(Tuvalu Coastal Adaptation Project, TCAP)などの協力プロジェクトを共同で推進している。両国は今後も、気候変動の課題に対応するために協力し続けると共に、医療・公衆衛生、農業、漁業、情報通信技術などの分野においても、緊密な協力関係を築き、相互の繁栄と発展を促進したい考えだ。
テオ首相:ツバル海岸適応プロジェクトには2つの課題がある。1つ目は気候変動に対するレジリエンスを強化すること。2つ目はツバルが失った国土の一部を取り戻すために埋め立てを行うこと。この点に関して多大な支援を提供している台湾に感謝したい。ツバルは、インフラ建設においても台湾からのサポートを受けている。それらには、今後、国会議事堂の建設が予定されているほか、ツバルの学生が、授業中にエアコンを利用できるようにするため、各クラスのエアコン設置プロジェクトも含まれる。
ツバルは1日、独立から46年目を迎えた。蕭美琴副総統は8日夜、ツバル独立46周年記念祝賀イベントにビデオメッセージを寄せ、中華民国を代表して祝意と台湾の国際参加を支持するツバルへの謝意も伝えた。