中国が14日より台湾周辺でいわゆる「聯合利剣-2024B」軍事演習を始めたことに対し、外交部(日本の外務省に相当)が同日、「ルールに基づく国際秩序に再度挑戦すると共に地域の平和と安定を深刻に破壊するもの」として強く非難、中国が最後に踏みとどまり、軍事的な挑発を即刻停止するよう呼びかけた。
各国からもこの軍事演習を懸念する声が上がっている。米国務省は13日(米東部時間)に声明を発表、中国人民解放軍が台湾海峡及び台湾周辺での合同軍事演習を行っていることに強い懸念を示すと共に、中国が台湾における定例の演説(双十国慶節祝賀大会における総統談話)に軍事的な挑発で応じることは理にかなわず、緊張をエスカレートさせるリスクをもたらすと指摘した。米国は中国が自制し、台湾海峡及び地域の平和と安定の破壊につながるさらなる一切の行動を控えるよう呼びかけると共に、引き続き中国の行いを監視し、盟友及びパートナーたちと連携していく方針を示した。
日本の石破茂首相は14日、報道陣に対して中国が台湾周辺で合同軍事演習を行っていることについて触れ、「台湾海峡及び台湾周辺の平和と安全は日本のみならず地域にとって極めて重要だ。地域の状況の変化、推移を注意深く見守りながら、どういう事態にも対応できる態勢を整えておく」と述べた。外交部は、「石破首相が中国の軍事演習が始まるとただちに公の場で高度な関心を示し、台湾海峡の平和と安定への支持を再度表明したことを評価し、感謝する」とコメントした。
日本からはこのほか、岩屋毅外務大臣と中谷元防衛大臣が14日、地域の安全と安定に対する台湾海峡の平和の重要性を強調し、今後の動向をしっかり注視していく考えを示した。
また欧州連合(EU)対外行動庁(European External Action Service, EEAS)の報道官は14日夜(台湾時間)、中国が同日「聯合利剣-2024B」軍事演習の実施を宣言するとただちに声明を発表、台湾周辺で中国が軍事演習を行うことは両岸の緊張状態をさらにエスカレートさせると指摘すると共に、「台湾海峡の平和と安定は地域及び全世界の安全と繁栄に対して戦略的で重要な意義を持つ。EUは台湾海峡の現状が維持されることで直接利益を得ることが出来、武力や脅しによって一方的に現状を変更しようとするいかなる行為にも反対する。また各方が自制し、両岸の緊張をエスカレートさせるいかなる行為も控え、対話の方式で立場の違いを解決するよう呼びかける」と述べた。