在セントルシア中華民国大使館、在バルバドス及び東カリブ海米国大使館、それにセントルシア政府はセントルシアで現地時間10月17日、ソーシャル・セキュリティと防犯をテーマにグローバル協力訓練枠組み(GCTF)のワークショップを開催した。ワークショップでは、カリブ海諸国で犯罪行為が生まれる根本的原因や、治安情勢の改善、多種多様な犯罪を防止するための対策などが議論された。
このワークショップは、台湾の陳家彦駐セントルシア大使と米国務省のマーク・ランバート副次官補が共同で開幕を宣言したほか、セントルシア内政・犯罪防止・心身障害者省のジェレミア・ノアバート大臣と米国務省のバーバラ・フェインスタイン副次官補が基調講演を行い、最後はセントルシア公正・司法・エンパワーメント省のヨアヒム・ヘンリー大臣が閉会を宣言した。会場にはセントルシアのアルビナ・レイノルズ上院議長、クラウディウス・フランシス下院議長、Leslie Mondesir検察総長など政府要人らが駆け付けた。また、カリブ海諸国の政府職員、学者、警察関係者、オピニオンリーダーなど190人余りがオンライン・オフラインで参加した。
ワークショップは「ソーシャル・セキュリティ:犯罪の根本的原因、リスク要因、予防方法について模索する」と「犯罪を防ぐ:多種多様な犯罪への対応策」の2つのセッションを主軸に開催された。在バルバドス米国大使館のロジャー・二ハス大使とアメリカ合衆国国際開発庁(USAID)カリブ海地域(ESC)代表のMervyn Farroe氏がモデレーターを務め、米国やカリブ海地域の政府職員、学者・専門家らが議論した。また、台湾の法務部台湾高等検察署の呉協展検察官と嘉義地方検察署の陳昱奉検察官がオンラインで参加し、台湾における実務経験や関連の研究内容などを紹介した。会場では白熱した議論が交わされ、現在の治安情勢に関する多方面の分析や建言が提示された。
陳家彦駐セントルシア大使は「近い理念を持つ国々が犯罪捜査や法執行などで連携を強め、人材育成や資源共有などを通して各国の犯罪撲滅能力を高め、カリブ海地域に住む人々がより安心して暮らし、働けるような環境を作らなければならない」と訴えた。また、セントルシアのジェレミア・ノアバート大臣は、「犯罪は公衆衛生分野の問題であり、社会問題でもある。治安情勢は政府や警察だけの責任ではなく、セントルシアの企業、コミュニティ、家庭、民間団体などがそれぞれの枠組みを超えて協力し、犯罪発生の可能性を根本から減らしていかなければならない」と述べた。
GCTFのワークショップがセントルシアで開催されるのは今年で3年連続のこと。これは、GCTFが国際協力の人材育成の枠組みとしての役割とその効果を、カリブ海地域で徐々に成長・拡大させていることを意味する。外交部は「台湾はこれからも価値共有の影響力を拡大させ、関連の経験を紹介し、カリブ海諸国のキャパシティ・ビルディングに協力していきたい」とコメントしている。