外交部(日本の外務省に相当)が年に一度開講している「NGO国際事務人才培訓班」(NGO国際業務人材養成クラス)の台北市内での講義が26日と27日に行われた。開幕式は外交部の田中光政務次長(=副大臣)が執り行った。今年は最近台北に弁事処を開設したチェコの「European Values Center for Security Policy(EVC)」、米国の「Spirit of America」、日本の「ピースウィンズ・ジャパン」など国際NGOの代表が講師を務めたほか、台湾のNGOで実習するため訪台したタイとマレーシアのNGO青年リーダーが国際交流の経験を共有した。開幕式には100名を超える台湾のNGO関係者、企業関係者、受講者など各界の人々が集まり、活発に交流した。
田政務次長はあいさつの中で、台湾のNGOは長年医薬品や公衆衛生、人道支援、教育文化などの面で目覚ましい活躍をしていると評価、「世界で助けを必要とする場所には常に最初に向かい、台湾の『善良なパワー』を全世界に届けている。『台湾精神』の代表であるばかりでなく、政府の外交業務にとって欠くことの出来ない助けになっている」と述べた。田政務次長は、NGOは「誰もが外交官」の精神を最も発揮できるとして、受講者が引き続き国際的なつながりを広げ、各分野で台湾のため声を上げるよう期待した。
外交部非政府組織国際事務会の陳剛毅執行長は講義の中で、政府がいかにしてNGOを支援し、官民で「価値外交」を推進して民主主義や自由といった価値で国際的な結びつきを深めているかを紹介。数位発展部(=デジタル発展省)多元創新司(局)の荘明芬司長(=局長)は、NGOがAI(人工知能)技術やデジタルデータをいかに応用してサービスのクオリティを高め、国際参与を促進しているかを説明した。
台北市内で行われた講義では、台湾の著名なNGO「台湾世界展望会(World Vison)」の李紹齢会長、「慈済基金会」の熊士民副執行長、「台湾好鄰居協会」で国際業務を専門的に担う黄凱琳シニアスタッフが長年世界で国際交流や援助に携わったそれぞれの経験を分かち合い、「Taiwan can help and Taiwan can lead」(台湾がお手伝い出来ます。台湾は導くことが出来ます)の精神を存分に示した。
「Spirit of America」在台弁事処の連絡人、Joshua Brandon氏と「European Values Center for Security Policy」在台弁事処のMarcin Jerzewski主任はそれぞれ、台湾にオフィスを構えた理由は台湾がアジアに「thriving democracy」(繁栄する民主主義)と「democracy success story」(民主主義のサクセスストーリー)をもたらしていることだと説明。また、「ピースウィンズ・ジャパン」在台弁事処の責任者、郷家一希氏は、台湾は日本の重要なパートナーであり、台日関係は友好的だと指摘した。国際NGOの代表たちはいずれも、台湾の政府及び市民社会とのパートナーシップを引き続き深められるよう希望した。
今年の「養成クラス」は台北市内での講義のあと、11月2日と3日は台湾中部・台中市、9日と10日には同南部・高雄市で行われる。外交部は2004年より「養成クラス」を実施。これまでに各界から参加した人は延べ4,000人に上る。外交部は、この「養成クラス」を通して受講者たちに国際問題の重要なトレンドを把握させ、国際業務に関する能力を引き上げて、国際社会における台湾の活動空間を共に広げていけるよう期待するとしている。