中華民国(台湾)とマーシャル諸島共和国は26年前の11月20日に国交を樹立。両国の友情を祝うため、台湾のアーティスト6名が20日、絵画や写真などの作品で双方の風土や習慣を紹介し、芸術を以ってオーストロネシア語族文化の共通点を考察した。台湾はオーストロネシア語族の起源だとされる。
台湾におけるマーシャル諸島大使館と、中華民国(台湾)政府で先住民族政策を担う省庁・原住民族委員会(原民会)による文化芸術展「島如船、海作路:南島文化的航程与対話」が20日に「台北帝門藝術中心」で始まった。参加アーティストは楊慕仁氏、郭悦暘氏、華恒明氏、林哲瑋氏、黄淑恵氏、唐子雯氏。同展覧会は12月20日まで。
林哲瑋氏はマーシャル諸島在住20年の写真家で、今年は国連気候変動枠組み条約第29回締約国会議(UNFCCC COP29)にマーシャル諸島の代表団の公式カメラマンとして同行、同国のヒルダ・ハイネ大統領が会議で台湾のため発言する場にも立ち会った。
今回、林氏は複数の写真作品を出展し、気候変動に向き合うマーシャル諸島の人々の生活方式を紹介した。林氏は、「芸術は文化から派生するもの。土地のために声を上げることはオーストロネシア語族文化による土地に対する愛だ。芸術の力を通じて台湾とマーシャル諸島の外交関係を表現したい」と述べた。
マーシャル諸島のAnjanette Kattil駐台大使は、国交樹立から26年、マーシャル諸島と台湾の関係はますます緊密化し、台湾は公衆衛生や教育、女性の権利などの面でマーシャル諸島に非常に多くの支援を行っていると説明。また、「台湾の国際参与が常に障害に見舞われていることは知っている。我々は約束を重視しており、台湾が国際社会に受け入れられるよう引き続き協力していく」と述べた。
原住民族委員会の鍾興華副主任委員(=事務次官)は今回の展覧会について、国交樹立26周年を祝うばかりでなく、芸術によって二つの国の文化の似通ったところを示したいとし、展示された絵画や写真、陶芸などからオーストロネシア語族の文化と知恵、海洋文化が見て取れることを指摘。また、国交を結ぶ前から同じオーストロネシア語圏である台湾とマーシャル諸島は歴史的なつながりがあるとして、人々が展示されている芸術作品からこうした貴重な友情を感じ取ることに期待した。