2025/08/03

Taiwan Today

外交

外交部の呉政務次長、米資本メディアの取材に「インド太平洋地域の平和と自由守る」

2025/01/06
外交部の呉志中政務次長は、ラジオ・フリー・ヨーロッパからのインタビューで、「台湾は引き続き自衛力を強化し、インド太平洋地域の平和と自由の現状を守るために、理念を同じくする国々と協力していく」と語った。(中華民国外交部ニュースサイトより)
外交部(日本の外務省に相当)の呉志中政務次長(副大臣)は昨年(2024年)11月14日、ラジオ・フリー・ヨーロッパ(米国資本のラジオ放送、報道機関)の記者Andrey Tsyganov氏によるインタビューを受けた。その内容が、「戦備70年ー中国は本当に武力で台湾を侵略するのか?」として、ロシア語のドキュメンタリー番組に収録され、同局のYouTubeロシアチャンネル「Current Time」で配信された。また先ごろ、英語字幕付でも配信され、各界から大きな注目を集めている。以下は、インタビューの概要。
 
★★★★★
 
中国の国家主席、習近平氏は、台湾を併合するという強い野心を示している。台湾はいかなる戦争も望んでいないが、中国の軍事的脅威に直面して、戦争を回避するために十分な準備を整えている。ロシアが最終的にウクライナ侵略に成功すれば、中国に対して台湾に侵攻するよう促す可能性がある。しかし、国際社会でのウクライナ支持は現在、ロシアを著しく弱体化させている。このことは中国が台湾へ軽々しく武力を行使しないようにしている。
 
ロシアによるウクライナ侵攻は、台湾の人々にとって、危機を呼び起こさせるものだ。現在の台湾は、戦争が起こらないと無邪気には信じられない状態だ。そのため、台湾海峡の平和で安定した現状に対する国際社会の支持が非常に重要となる。最近では、航行の自由を行使して、フランス、英国、オランダ、イタリア、ドイツなどの欧州諸国が、軍艦を派遣して台湾海峡を通過、アジア地域を巡航している。これらは、民主主義陣営がルールに基づいた国際秩序を守るために団結していることを示し、権威主義国家の拡張主義に対して一定の抑止効果をもたらしている。
 
台湾は引き続き、自衛力を強化し、インド太平洋地域の平和と自由の現状を守るために、米国や日本など理念を同じくする国々と協力していく。これは習近平氏の念頭に「台湾侵攻」が浮かんだとき、行動に移す前、熟考させる抑止力となる。これが台湾の「Not Today(今日は台湾を侵攻する日ではないと思わせる)」戦略だ。
 
民主主義陣営を脅かす武器として、貿易を利用する中国と比較すると、台湾は世界の民主主義国のサプライチェーンにおいて、信頼できるパートナーという存在だ。台湾は、世界の半導体チップの60%以上、人工知能(AI)に使用される最先端のチップの90%以上を生産している。AIとの共存は、全人類共通の未来。台湾は、民主的産業サプライチェーンをより健全かつ完全なものにするために尽力し、中国主導のレッドサプライチェーンによってもたらされる脅威に対処する。
 
★★★★★
 
ドキュメンタリー番組は、台湾の現在の政治・経済の状況や両岸の分割統治の歴史を紹介している。そのほか、台湾の各界の人々や台湾で学ぶウクライナ人学生に台湾海峡の情勢に関する見解をインタビューし、台湾の人々の大多数が現状維持を望んでいると強調した。
 
ラジオ・フリー・ヨーロッパは冷戦時代、鉄のカーテンで分断された国々において、ニュースや情報を提供する重要なメディアの役割を担い、現在でもロシア語圏で大きな影響力を持つ。「Current Time」は、同局と米国営放送のボイス・オブ・アメリカが、欧州において共同運営するロシア語テレビチャンネル。ロシア語圏の視聴者に向けて、ロシア・ウクライナ戦争関連のニュースを報道している数少ないメディアの一つだ。

ランキング

新着