行政院の鄭麗君副院長(副首相)は7日、駐台北イスラエル経済文化弁事処のマヤ・ヤロン(Maya Yaron)代表(大使に相当)と行政院で会談を行い、台湾とイスラエルは経済・貿易、技術革新、文化、教育、医療分野での交流が緊密になっており、とりわけ技術革新でこれからも交流を深めていきたいと期待を寄せた。この会談には文化部の王時思政務次長(=副大臣)、外交部の呉志中政務次長が同席した。
鄭副院長は、台湾とイスラエルが近年、経済・貿易、技術革新、文化、教育、医療などの分野で関係を深め、すでに34項目の覚書を締結していること、昨年は「観光協力共同宣言」や「文化協力協定」などにも調印し、さらに交流が活発していることを指摘した。その上で、「文化交流は互いの理解を深め、ともに創作を行い、ともに楽しむという、外交を超越する意義を持つ、素晴らしいものだ」と指摘。行政院は今後、台湾の文化部がイスラエルとの文化活動のすそ野を広げることを支持するとともに、文化コンテンツ産業でもさらに協力を展開できるよう期待していると述べた。
鄭副院長はさらに、台湾とイスラエルは経済・貿易、テック系人材、フィンテック、サイバー・セキュリティ産業、大学間などの交流が非常に活発であると指摘。また、イスラエルは技術革新、スタートアップ、人材育成等の分野でも進んでいるとして、台湾としては今後イスラエルとさらに協力を深め、将来的には技術革新分野で交流と協力を深めていきたいと伝えた。
鄭副院長は続けて、技術革新やテクノロジーの有効活用は人類社会の多くの問題を解決することができ、世界の「民主主義のサプライチェーン」のために、安全かつ信頼可能な科学技術産業のサプライチェーンを構築することができるだろうと述べた。
これに対してヤロン代表は、台湾とイスラエルの関係は30年以上に及び、昨年の「文化協力協定」締結以降、双方はさまざまなプロジェクトの準備に着手していると指摘。例えば駐台北イスラエル経済文化弁事処は台北で「エルサレムの日」のイベント開催を計画しており、今後イスラエルから多くの文化組織を台湾に招き、パフォーマンスを披露する機会を作っていきたいと説明した。
ヤロン代表はまた、イスラエルはイノベーションに挑戦しようとする文化を持ち、一方の台湾はスマート・マニュファクチャリングで優位性を持つことから、経済分野における互換性が高いとして、「民主主義のサプライチェーン」においてより重要な役目を演じることが可能だと述べた。ヤロン代表は、台湾のイスラエルに対する長期にわたる友好と支持、それに双方が人権を尊重し、民主主義を守り、同じ価値観や理念を共有していることに感謝すると述べた。