一組目はガブリエリュス・ランズベルギス(Gabrielius Landsbergis)前外務大臣夫妻が中華民国(台湾)政府の招きに応じて、12日〜16日の日程で初めて台湾を訪れている。
ランズベルギス氏には、台湾を訪問中に頼清徳総統から特種大綬景星勲章が授与される。そのほか、蕭美琴副総統を表敬訪問、立法院(国会)の江啟臣副院長(副議長)と会談、国家安全会議(安全保障政策を決定する総統府直轄の機関)の呉釗燮秘書長と林佳龍外交部長が執り行う歓迎の宴席に出席する予定。さらにシンクタンクの財団法人両岸交流遠景基金会が主催する講演会に出席し、国立台湾大学のキャンパスを訪れ、台湾の学生との交流も行う計画だ。
ランズベルギス氏は外務大臣在任中、台湾へ新型コロナウイルス感染症のワクチンを寄贈するよう働きかけた。また民主主義と自由の価値を断固として擁護し、 欧州初の「台湾」という名称が入った在外公館「駐リトアニア台湾代表処」の設立を支持した。台湾との関係発展に努力を惜しまないランズベルギス氏は、2022年に中国が台湾海峡周辺で軍事演習を実施した際、海外メディアに台湾を支持するよう呼びかける書簡を送った固い絆で結ばれた台湾の友だ。
もう一組は、リトアニア首相府次官兼国家危機管理センターの所長を務めるVilmantas Vitkauskas氏が率いる訪問団、「外国からの情報操作・干渉(FIMI)対策チーム」で、12日から18日まで台湾に滞在する。訪問団メンバーは、リトアニア外務省のコミュニケーション・文化外交局のVilijus Samuila局長代理のほか、NGOの専門家5名。これは、リトアニアが昨年12月に新政権が発足してから初めての代表団による台湾訪問となった。
一行は台湾訪問中、外交部の呉志中政務次長(副大臣)主催の歓迎会に出席するほか、国家安全会議、国防部(日本の防衛省に相当)、法務部(日本の法務省に相当)調査局などの政府機関を訪問する予定。台湾の偽情報対策やレジリエンス社会の実現に向けたNGOとの交流を図る。
台湾とリトアニアは、共に権威主義の脅威の最前線に立つ民主主義国家で、価値観を共有する重要なパートナー関係にある。双方は相互に代表処を設置して以来、深い友情と相互信頼の基礎を築き、協力分野を拡大し続け、民主主義のレジリエンスを共同で強化している。