中村知事は、松山市長を務めていた時、同名の縁から双方の交流を積極的に推進した。その交流は現在も続いており、より多くの台湾の人々が、日本にも「松山」があることを知るきっかけを作った。
李代表によると、中村知事は愛媛県知事に就任後、台湾との交流をさらに拡大し、台北-愛媛間の直行チャーター便の運航、台北市、中部・台中市、南部・嘉義市と交流協力覚書を締結した。さらに、台湾鉄路とJR四国との友好協定、台北市・新北投温泉と松山市・道後温泉との交流協定、愛媛県と嘉義大学との協力覚書など多くの協定を締結している。
李代表は、台湾と日本が現在、経済、半導体、貿易、観光、文化、民間団体、国会議員、地方自治体など様々な領域での交流を進めており、その友好関係が最高レベルに達していると指摘した。両国の友好関係は、中村知事をはじめ、長きに渡って積み上げてきた賜物だと称えた李代表は、中華民国(台湾)政府を代表して中村知事へ、台日友好関係に対する貢献に心からの感謝を伝えた。
一方、中村知事は最初に、台湾南部で21日未明発生した最大震度6弱の地震に対する懸念を表明し、愛媛県民を代表して、お見舞いの言葉を口にした。
中村知事が台湾にも「松山」があることを知ったのは松山市長になる前に訪れた台湾旅行でのことだった。その2年後、松山市長となり、台湾と日本の松山空港を結ぶ直行便を運航させたらどうかと思いついたのが、すべての始まりとなった。中村知事は当時について、「ほとんど知り合いもいない情況で台北市を訪れ、各方面からの紹介やつながりを通じて、少しずつ交流を広げていった。5、6年の努力の末、ついに双方の松山空港間の定期便が開設された。その時の感動は忘れられない」と振り返った。
これを皮切りに、この5、6年間で築き上げた友好関係によって、学校、駅、温泉など多方面での交流が、さらに広がりをみせている。愛媛県知事となり、瀬戸内しまなみ海道の「サイクリングロード」をPRする計画において、自転車文化が盛んな台湾との交流を実現できると考え、まずは台中市へ赴いた。台北から北東部・宜蘭、台北から台中、日月潭(中部・南投県)までのサイクリングイベントに参加したという。2014年には「日月潭サイクリングロード」と「瀬戸内しまなみ海道サイクリングロード」が姉妹自転車道協定、2017年には「四国一周・台湾一周友好交流協定」を締結し、双方の交流は年々深化している。
また大ヒット映画「KANO」(2014年、台湾)にも縁がある。映画の主役、嘉義農林学校野球部の監督だった近藤兵太郎氏は、愛媛県松山市の出身。中村知事によると、昨年は愛媛県の子供たちが嘉義市で行われた野球の試合に参加し、嘉義大学野球部も交流のため愛媛県を訪れた。さらにミュージカル版「KANO」が台中市にて公演され、大評判となった。
このほか、新北市の伝統的な「鶯歌焼」と愛媛県の「砥部焼」の陶器交流が昨年、成功裡にスタートした。双方は、これまでの積み重ねの成果をさらに発揮し、引き続き友好関係を深めていきたい考えだ。