2025/02/23

Taiwan Today

外交

海洋委員会主任委員、「中国の戦略的意図は軽視できない」

2025/02/20
海洋委員会の管碧玲主任委員は19日、台湾メディアのインタビューを受けた際、「過去10年間で中国の科学研究船が台湾の隣接海域で行った調査に関する論文は少なくとも65本確認されており、中国が台湾海峡における発言権を得ようとする戦略的意図を持っていることは軽視できない」などと指摘した。(海洋委員会)
海洋政策や海上保安などの行政を担う海洋委員会(台湾の中央省庁の一つ)の管碧玲主任委員(大臣に相当)は19日、台湾メディアのインタビューを受けた際、「過去10年間で中国の科学研究船が台湾の隣接海域で行った調査に関する論文は少なくとも65本確認されており、中国が台湾海峡における発言権を得ようとする戦略的意図を持っていることは軽視できない」などと指摘した。以下は管碧玲主任委員の発言の概要。
 
【中国の戦略的意図】
最近中国は台湾周辺海域で頻繁に合同軍事演習を展開したり、海警船(中国の海洋警察である海警局の船)や民兵漁船(軍事訓練や政治教育を受けた漁民や船員、つまり海上民兵が乗船する漁船)による領海侵入や、科学研究船の出没といった手段を用いて、台湾に対する「グレーゾーン」侵害を加えている。海洋委員会海巡署(日本の海上保安庁に相当)が把握している情報によると、中国の科学研究船や海洋調査船のうち74隻以上が台湾の隣接海域で調査を行い、その結果海外の雑誌で発表された論文は少なくとも65本に達する。これは決して、単純に科学研究を目的にしたものではなく、戦略的意図を含んでいる。とりわけ海底地質、地形、水文調査などは明らかに戦略的情報だ。つまり、研究船であっても海洋委員会海巡署は積極的に取り締まらなければならない。同時に海洋委員会もまた海域研究の能力を強化し、この分野での発言権を掌握しなければならない。
 
【台湾とインド太平洋地域との国々との連携】
また、海洋委員会海巡署は環太平洋地域における「海域法執行」の最前線で業務に当たり、インド太平洋の安全保障上のパートナーとの連携に力を入れている。例えば台湾の巡視船「巡護八号」は日本の東京都で定期的に補給作業を行っているほか、昨年には「巡護九号」と日本の巡視船「さがみ」が捜査や救助に関する合同訓練を実施した。台湾はインド太平洋地域の周辺諸国と緊密に連携している。しかし、どの国と何をしているかなどについては、相手国を尊重するため詳細を明らかにすることはできない。
 
【インド太平洋地域の平和と安全は世界の共通課題】
近年の国際社会の反応から、各国がインド太平洋地域の平和と安定の重要性を十分認識していることがよくわかる。2024年は米国やカナダを含む10カ国、約延べ17隻の艦船が台湾海峡を通過した。これは、台湾海峡の航行の自由を強調するとともに、インド太平洋地域の平和と安全が世界の共通課題であることを示すものだ。
 
国の安全保障という分野は、海洋委員会にとって非常に重要な業務の一つでもある。海洋委員会海巡署はこれからも柔軟かつ臨機応変に対応し、インド太平洋地域において近い理念を持つ国々と連携し、同地域の平和と安定を維持し、共栄と発展を推進していきたい。
 
 

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