頼清徳総統は24日午後、日本の玉木雄一郎衆議院議員(国民民主党代表)と総統府で面会し、「台湾と日本は重要な貿易パートナー。半導体だけでなく、水素エネルギーや無人機などでも連携を強化し、ともに非赤供給網(非レッド・サプライチェーン)を構築し、経済の共栄共存を図るなどしてインド太平洋地域及び世界の平和と安定を守っていきたい」などと期待を寄せた。
頼総統はまず、玉木代表にとって初めてとなる訪台を歓迎した。また、「台湾と日本の協力にとって最も重要なこのタイミングにおいて、玉木代表が万難を排して台湾を訪問したことは台湾に対する支持を示すもので、格別な意義を持つ」として謝意を示した。
頼総統は今月上旬に行われた日米首脳会談にも言及し、日本政府がその後に発表した共同声明で、台湾海峡の平和と安定が国際社会の安全と繁栄に不可欠であること、力や威圧による一方的な現状変更の試みに反対するとともに、台湾の国際機関への有意義な参加を支持する―などと表明したことにも感謝した。
頼総統は、「台湾と日本は国際社会の責任ある一員である。日米関係がより強固で友好になることを歓迎するとともに、台湾、日本、米国が手を携えて、インド太平洋地域の平和と安定を支える堅実な力となれるよう願っている」と述べた。
頼総統はさらに、「現在国際情勢は多様化し、且つ複雑さを増している。それに加えて我々は中国企業によって構築される『レッド・サプライチェーン』の脅威にも直面しており、経済の安全保障やサプライチェーンの強靭性に関心を寄せる国はますます増えている。権威主義国家が連携を模索する中、民主陣営はより団結の必要に迫られている。台湾と日本は重要な貿易パートナーだ。半導体だけでなく、水素エネルギーや無人機などの分野でも連携を強化し、『非レッド・サプライチェーン(Non-Red Supply Chain)』(非赤供給網)の構築で協力することで、経済的な共存共栄を図り、インド太平洋地域および世界の平和と安定を守っていきたい」と期待を寄せた。
これに対して玉木代表は、今回が初めての台湾訪問となったが、頼総統及び政府関係者の温かいもてなしに大変感謝していることを伝えた。また、現在の台日関係はこれまでになく緊密なものになっており、これは頼総統が就任以来、台日関係の発展に尽くしてきた成果だとして敬意と謝意を示した。
玉木代表は続けて、世界情勢の変化に伴い、台湾、日本、それにインド太平洋地域全体が重要な転換期を迎えていると指摘。台湾と日本の関係はこれからも一層進展するだろうと述べた。また、頼総統が言及したように、最近開催された日米首脳会談では大きな成果があり、日米共同声明では台湾海峡の平和と安定に対して明確な約束が示され、力や威圧による一方的な現状変更の試みには断固として反対することが表明されたと説明した。
玉木代表はまた、昨年日本で行われた衆議院選挙の結果、与党である自民党と公明党の議席は国会で過半数に届かず、一方で自身が代表を務める国民民主党は議席数を大きく増やしており重大な責任を感じているとした上で、「今後も台湾と日本の協力を推進し、台日関係の強化に取り組んでいきたい」と述べた。