2025/03/04

Taiwan Today

外交

日本の戸籍の国籍欄「台湾」表記が可能に、水面下で働きかけた日華懇が記者会見

2025/02/27
今年5月から日本の戸籍で台湾出身者が国籍欄に「中国」ではなく「台湾」と書けるようになる。この変更を長年日本政府に働きかけてきた「日華議員懇談会」会長の古屋圭司衆議院議員(前列左から3人目)と事務局長の木原稔衆議院議員(前列右から3人目)は26日、東京都内で記者会見を開いた。前列左から2人目は「戸籍における国名表記問題に関するプロジェクトチーム」の座長を務めた滝波宏文参議院議員。(自由時報)
日本の法務省は今年5月末より、日本の戸籍の国籍欄に地域名を表記することを可能とする。これにより台湾出身者は日本の戸籍の国籍欄に「中国」ではなく「台湾」と記載することが可能になる。この変更を長年日本政府に働きかけてきた日本の超党派国会議員でつくる「日華議員懇談会」(以下、日華懇とする)会長の古屋圭司衆議院議員と事務局長の木原稔衆議院議員は26日、東京都内で記者会見を開き、「これは台湾人の人権と尊厳に関わる問題だ」と訴えた。
 
日華懇は26日、衆議院第二議員会館で戸籍における国名表記問題に関するプロジェクトチームを招集した。会議には、長年この問題に取り組んできた日本李登輝友の会、全日本台湾連合会の会長や幹部、それに日本人との婚姻で日本に移り住んだ台湾人配偶者約10名が出席したほか、日本の法務省や外務省の職員も同席して説明を行った。その後、日華懇の古屋圭司会長と木原稔事務局長が記者会見を開いた。
 
古屋会長によると、台湾人と日本人が結婚した場合、現在日本の戸籍の国籍欄には、台湾出身者の国籍について「中国」と書くことが求められており、当事者のナショナルアイデンティティに大きな影を落としている。日華懇は数年前、台北駐日経済文化代表処(日本における中華民国大使館に相当)や在日台湾人の団体などからこの問題の解決を依頼された。このため2022年11月に、戸籍における国名表記問題に関するプロジェクトチームを発足。台湾人女性を妻に持つ滝波宏文参議院議員を座長に任命した。
 
木原事務局長によると、今回の措置は法改正ではなく、法務省による関連省令の改正によるもの。省令によると、台湾だけでなくパキスタンについても同様に、国籍欄への記載が可能となる。
 
日本李登輝友の会は2003年より「台湾正名運動」を展開し、日本政府に対して在日台湾人の「外国人登録証」上の国籍欄について、「中国」ではなく「台湾」と記載できるよう求めてきた。その結果、2009年の法改正で「外国人登録証」が「在留カード」に変更され、2012年には「在留カード」の「国籍・地域」欄に「台湾」と記載できるようになった。しかし、その後も戸籍の国籍欄については「台湾」と記載することができず、国籍名称の不一致が生じていた。
 
今年5月から日本の戸籍で台湾出身者が国籍欄に「中国」ではなく「台湾」と書けるようになることを受け、中国政府で台湾政策を担う国務院台湾事務弁公室の朱鳳蓮報道官は26日の記者会見で、「日本政府の行為は『一つの中国』原則に背き、中国の内政に甚だしく干渉するもの」と批判した。
 
これについて古屋会長は、「中国の報道官の発言はすべて想定内。大切なのは、これは台湾人の人権にかかわる問題ということだ」と断言した。
 

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