台北駐大阪経済文化弁事処の洪英傑処長(日本における中華民国総領事に相当)は3月1日、外交部の林佳龍部長(外相)の代理として「島根県日華親善協会」会長兼「日華親善協会全国連合会」名誉会長の亀井久興氏に「外交之友貢献奨」の章記と褒章を授与し、亀井氏が長年にわたって台湾と日本の交流促進や台日友好の深化に貢献したことを表彰した。授与式は亀井氏の地元である島根県で行われた。亀井氏は現在85歳。参議院議員を2期、衆議院議員を通算5期務め、国土庁長官、国民新党幹事長、総務省顧問などを歴任した。
洪処長は、亀井氏が50年以上にわたって台日交流の推進に取り組み、これまでに台湾を150回以上訪問したこと、李登輝元総統を含めた歴代の総統や、立法院の王金平元院長(国会議長)など台湾の要人と強いパイプを築き、台湾と日本の政治経済分野での連携強化や台日関係の発展を見守ってきたことに感謝した。
洪処長はまた、亀井氏が日本の国会の超党派議員連盟である「日華議員懇談会」の副会長を務めていたとき、国会で何度も台湾のために発言してくれたこと、2000年には「島根県日華親善協会」を設立し、地元・島根県と台湾の地方との実務的な交流を推進してきたことなどについても謝意を示した。さらに、昨年5月に「日華親善協会全国連合会」と台湾の「台日文化経済協会」が姉妹協定35周年を迎えた際には、「日華親善協会全国連合会」の名誉会長を務める亀井氏が団長として台湾を訪問して演説を行うなど、実際の行動によって台日関係の深化に努めたことなどを紹介した。
これに対して亀井氏は、外交部の林佳龍部長から褒章を授与されたことは非常に光栄だとした上で、自分にとって台湾はすでに「第二の故郷」であり、1974年に参議院議員に当選し、初めて台湾を訪問して以来、台湾の民主化と経済の急成長を見守ってきたと指摘。また、李登輝元総統とは40年来の親交があり、台湾を訪れるたびに李元総統と会ったり、一緒にゴルフを楽しんだことを振り返った。亀井氏はさらに「台湾と日本は運命共同体だ。自由民主主義の台湾がなければ、自由で独立した日本もない」と述べ、今後も台日友好の強化に尽力していくことを誓った。
亀井氏の長女で、衆議院議員(立憲民主党)を務める亀井亜紀子氏は、昨年5月に衆議院議員に返り咲いてすぐ、頼清徳総統の就任式典に出席するため台湾を訪問したことに言及し、これからも国会外交を通じて台日関係の強化を図り、地元・島根県と台湾との交流を深めていきたいと期待を寄せた。
授与式にはほかに、島根県地域振興部の木次淳部長(知事の代理として祝辞を代読)や島根県日華親善協会理事長の小河英樹氏、それに複数のメディアなどが出席した。