頼総統は、国際情勢が目まぐるしく変化し、権威主義が連携や拡張を図る中、民主主義国は積極的に協力し、インド太平洋地域の平和と安定、繁栄をともに守っていく必要があると指摘。昨年以降、ニュージーランド政府が繰り返し台湾海峡の平和と安定の重要性に言及していることについて、台湾の人々を代表して心から感謝すると述べた。
台湾とニュージーランドは経済協力協定(ANZTEC)を締結し、2025年現在までにそれが全面的に実施されている。頼総統は、ニュージーランドとともにより多くの市場を開拓し、スマート農業、食品製造、バイオ医薬、デジタル経済、クリーンエネルギー、先住民族交流などさまざまな分野で協力を深め、双方の経済及び産業をこれからも発展させ、国際情勢の変化に伴う挑戦に向き合っていきたいと述べた。
頼総統はまた、国会外交は民主国家の伝統であり、双方の国会レベルの交流や緊密な人的往来が、より多くの協力の機会を発掘し、民主主義のパートナーシップをより強固なものにしていけるよう期待していると述べた。
これに対して、ニュージーランド国民党のスミス議員は、「台湾とニュージーランドはいずれも貿易国家であり、それには円滑な輸出入が不可欠だ。ゆえに、航行の自由は極めて重要であり、ニュージーランドが海軍の艦艇を台湾海峡に派遣したのも、この自由が両国の安全保障にとっていかに大切であるかを強調するためだった」などと説明した。
スミス議員はまた、台湾との関係をさらに緊密なものにし、両国間の貿易を促進していけるよう期待していると述べた。さらに、ニュージーランドは地熱エネルギー分野において、台湾にさまざまな協力を提供することが可能であり、ニュージーランドは衛星ロケットの打ち上げ数で世界第3位でもあることから、今後通信分野でも台湾を支援することができるだろうと述べた。さらに、「もちろん他にもさまざまな製品があるが、ニュージーランドとしても台湾からの技術協力を獲得したいと願っており、将来的に台湾とニュージーランドが長期的に繁栄できる関係を築くことを望んでいる」と伝えた。
共同団長を務めるニュージーランド労働党のUtikere議員は、台湾とニュージーランドはともに四方を海に囲まれた島国であるため、世界各地の志を同じくするパートナーたちと堅実なパートナーシップを構築する必要があると訴えた。
会談の最後に、ニュージーランドの議員たちはマオリ語の「トゥティラ・マイ・ナ・イウィ(TŪTIRA MAI NGĀ IWI)」という歌を歌って台湾にエールを送った。議員団によると、ニュージーランドではイベントなどのときによく歌われる歌で、団結や結束の大切さを伝えるものだという。