なお、ローマ教皇庁は今月26日午前(現地時間)にローマ教皇フランシスコの葬儀を行うと発表しており、台湾から誰が派遣されるかという問題に関心が寄せられていた。頼総統はこの日、蔡英文政権下で4年間(2016-2020年)副総統を務め、敬虔なカトリック信者としても知られる陳建仁氏を、総統特使として葬儀に参列させることを明らかにした。
ローマ教皇庁があるバチカン市国は、中華民国(台湾)と正式な外交関係を持つ。外交部によると、葬儀への参列者についてバチカン市国と繰り返し協議した結果、過去にローマ教皇フランシスコと6回謁見し、ローマ教皇庁科学アカデミーの会員に選出され、教皇から記章を授与されるなど、ローマ教皇との関係も深い陳建仁氏に白羽の矢が立った。
ローマ教皇フランシスコはその在任中、台湾東部・花蓮地震の被災者に関心を寄せ、犠牲になった人のために祈りを捧げたり、台湾のカトリック教について気にかけ、多くの台湾人を司教に任命するなどしてきた。また、ローマ教皇庁が行う重要なイベントに出席するために同地を訪れた総統の特使と何度も謁見し、カトリック以外の台湾の宗教団体との交流にも前向きに取り組んだ。こうしたことから外交部は、「今後も台湾とバチカンの関係を深化させ、宗教交流を強化し、信仰の自由という普遍的価値の推進に取り組んでいきたい」とコメントしている。