林部長は23日午前、まずエスワティニ国王ムスワティ3世と、その生母で「王母」と称されるヌトンビ王妃及に謁見した。その後、ムスワティ3世とともに、台湾の支援によって建設する「戦略的石油貯蔵タンク建設プロジェクト」の始動を宣言した。
国王ムスワティ3世と王母ヌトンビは、国王の57歳の誕生日祝賀イベントのため、頼清徳総統が林部長を特使として派遣したことや、台湾が長年にわたりエスワティニの各種インフラ建設に協力し、エスワティニの経済発展を後押ししていることなどに感謝した。国王と王母はまた、中華民国(台湾)とエスワティニ王国の関係が安定していることを強調し、今後も台湾の国際組織への参加を支持していくことを約束した。
林部長は、頼清徳総統に代わってムスワティ3世に誕生日を祝うメッセージを伝えるとともに、頼清徳総統から預かった親書と信任状を捧呈した。また、現地の慣例にならって活きた牛や、台湾製のハイテク製品や食品、それに芸術家の康木祥氏が創作した木彫作品『無限智』などを誕生日プレゼントとして国王に贈った。
林部長はその後、ムスワティ3世とともに「戦略的石油貯蔵タンク建設プロジェクト」のローンチセレモニーを共同で主催し、台湾とエスワティニの新たな領域での協力展開のスタートを見守った。ムスワティ3世はその後、食事会を主催し、林部長とその一行やゲストなどをもてなした。
翌24日午前、林部長はエスワティニの首都ムババーネにおいて、エスワティニのラッセル・ドラミニ首相とともに、「エスワティニ王国5G政府及びスマートシティに向けた発展プロジェクト」の一環として台湾の支援により建設されたオペレーションセンターの供用開始を祝う式典に出席した。
林部長はその後、ポリレ・シャカントゥ外相との外相会合に臨み、「情報操作対策および情報の完全性促進に関する協力覚書」に署名したほか「外相会合共同声明」を発表し、エスワティニ王国の偽情報対策に協力し、労務協力の課題についても議論を開始することに同意した。また、台湾とエスワティニが共同で職業訓練センターを設立し、エスワティニ及び周辺地域の人材競争力を高めることや、両国の技術人材の交流および産業発展を促進し、台湾とエスワティニの共栄共存という目標の達成を目指すことで一致した。
シャカントゥ外相は、偽情報問題に悩まされているエスワティニの現状を述べるとともに、今回署名した協力覚書が、同国が直面する問題の解決に大きく貢献することを確信していると述べた。また、職業訓練やインフラ建設などの分野での台湾の支援と約束に改めて感謝するとして、これらの計画によって両国が多様な専門人材を確保し、両国の産業の発展をさらに促進できるよう期待していると述べた。