21日に88歳で死去したローマ・カトリック教会のフランシスコ教皇の葬儀が26日午前10時(台湾時間午後4時)より、バチカンのサンピエトロ広場で営まれた。台湾からは、蔡英文政権下で4年間(2016-2020年)にわたり副総統を務め、敬虔なカトリック信者であり、過去にフランシスコ教皇に6回謁見した経験を持つ陳建仁氏が、総統の特使として参列した。陳建仁氏と夫人の羅鳳蘋さん、外交部の呉志中政務次長(=副大臣)などからなる特使団は、在バチカン中華民国大使館の李世明大使とともにサンピエトロ広場へ向かい、台湾の政府及び住民を代表して哀悼の意を伝えた。
ローマ教皇庁の統計によると、この葬儀には163か国・地域の外交団が参列した。そのうち12か国が王室関係者を、42か国が国家元首を、6か国が副元首を、6か国が国会議長を派遣。また、国連関連の9つの組織から代表が出席した。
台湾を代表して葬儀に参列した陳建仁氏は、過去にフランシスコ教皇と6回謁見したことがある。2021年にはローマ教皇庁科学アカデミーの会員に選出され、教皇から記章を授与されるなど、ローマ教皇との関係が深い。
陳建仁元副総統は25日にローマ入りすると、教皇の遺体が安置されているバチカンのサンピエトロ大聖堂へ直行し、生前教皇から贈られたロザリオを手にして、教皇のためにロザリオの祈りを捧げた。また、26日の葬儀への参列を終えると、27日早朝、イタリアを出発して帰途に就いた。
外交部はニュースリリースを通じて、「フランシスコ教皇は謙虚で親しみやすく、『人々の教皇』(The People's Pope)と呼ばれてきた。各国が一丸となって世界平和と善良な力を広げ、信仰の自由などの基本的価値を支持すべきであると、生涯をかけて訴え続けた。中華民国(台湾)とバチカンは国交樹立から83年を迎え、強い絆で結ばれている。我々は今後も人道支援などの分野でバチカンと協力し、信仰の自由という普遍的価値を守るために共に努力し、中華民国(台湾)とバチカンの関係をさらに深化させていくだろう」と伝えている。