2025/04/29

Taiwan Today

外交

頼清徳総統が高市早苗衆議院議員と会談、台日連携による「ノンレッドサプライチェーン」構築に期待

2025/04/29
頼清徳総統は、日本の高市早苗前経済安全保障担当大臣及びその一行と総統府で会談した。(総統府)
日本の前経済安全保障担当大臣で衆議院議員(自民党)の高市早苗氏が27日から29日まで台湾を訪問している。一行はほかに、黄川田仁志衆議院議員(自民党)、尾崎正直衆議院議員(自民党)、佐藤啓参議院議員(自民党)など合計6名。外交部によると一行は滞在期間中、「台湾安倍晋三之友会」が主催するイベントに出席するほか、頼清徳総統、蔡英文前総統、立法院の韓国瑜院長(国会議長)、与野党の立法委員(国会議員)、外交部の林佳龍部長(外相)、台湾日本関係協会の蘇嘉全会長らと会談し、台日関係や地域情勢、経済安全保障などについて意見交換する。
 
外交部の林佳龍部長は28日正午、高市氏ら一行を会食でもてなし、中華民国政府を代表して歓迎の意を伝えた。この会食には国際経済合作協会の呂桔誠理事長、東亜経済協会の黄教漳理事長、大豊機器股份有限公司の黄立翰董事長、日本台湾交流協会台北事務所の高羽陽副代表も同席し、現在の国際情勢や台湾と日本の各領域での協力など、さまざまな議題について踏み込んだ意見交換を行った。
 
一行はその後、頼清徳総統を表敬訪問した。頼総統は一行に対し、日本政府が重要な国際会合の場で、台湾海峡の平和と安定の重要性を繰り返し強調していることに感謝するとともに、中国の影響を受けた企業によって構築される「レッドサプライチェーン」がその勢力を拡大する中、台湾と日本が半導体、エネルギー、AI関連技術などの分野で緊密に連携し、「ノンレッドサプライチェーン」(中国または中国企業の影響を排除したサプライチェーン)の構築に取り組むことで、双方の経済レジリエンスと産業の競争力を引き上げ、インド太平洋地域の繁栄と発展のために新たな局面を切り開いていきたいと伝えた。
 
頼総統はまた、一行が台湾訪問という実際の行動をもって台湾を支持する姿勢を示してくれたことに改めて感謝し、「皆さんの来訪が台日関係の深化につながり、さらなる協力の機会を生み出すものになると信じている。ともに努力し、台日関係を引き続き前進させよう」と呼びかけた。
 
これに対して高市議員は、台湾と日本はいずれも島国であり、同じような境遇と問題に直面していると指摘。日本の貿易は海運への依存度が高く、このため日本周辺で有事が発生すれば、海上航路が脅威を受けることになり、それは日本の存亡を左右することになるとし、「台湾も日本と似ており、有事が発生した場合、食料やエネルギーの安全が脅かされ、ひいてはサプライチェーンが脅威を受けるなどの問題が生じるだろう」と述べた。
 
高市議員はまた、台湾と日本の協力について、まずサプライチェーンの強靭性を維持・強化する必要があると指摘。頼総統も「台湾をAIの島にする」という目標を掲げており、台湾は半導体分野で世界最高水準の技術を有していることから、台湾と日本はAIや半導体、量子コンピューター、軍民両用の産業、さらには無人機、新エネルギーテクノロジー等の分野で協力し、より強固なサプライチェーンを構築することで、万が一、有事が発生しても、現在の生活水準を安心して維持することが可能になると述べた。
 
高市議員は、国防分野における協力の必要性にも言及し、台湾、米国、日本、フィリピン、豪州、ひいては欧州など近い理念を持つ国々が一丸となることで、より強固なネットワークを構築し、ともに我々の安全保障を守ることができると述べた。
 
高市議員は、台日双方がこれからも人的交流、情報の共有といった非政府間の実質関係を維持することで、いざという時は一緒になって危機に対応できるとして、頼総統が言及した台日間の経済連携協定(EPA)の締結についても、自分は支持する立場であり、これから議論していきたい前向きな姿勢を示した。

 

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