頼清徳総統は29日、米国のジョン・アクイリノ前インド太平洋軍司令官が率いるシンクタンク「全米アジア研究所」(以下、NBR)の一行と総統府内で会談した。
頼総統は、アクイリノ氏がインド太平洋軍司令官在任中、台湾情勢に高い関心を寄せていたこと、NBRがこの地域の安全保障問題についてさまざまな研究や分析を行っていることに言及し、国際社会がインド太平洋地域や世界の民主主義の発展における台湾の役割について理解を深めるきっかけを作っているとして、「心から感謝する」と述べた。
頼総統はまた、台湾は民主主義防衛ラインの最前線に位置し、第一列島線の重要な戦略的地位にあるとした上で、積極的に「平和のための4つの支柱アクションプラン」を実践することで、これからも国防力を強化し、経済の安全構築に努め、両岸関係において安定かつ原則のあるリーダーシップを発揮し、民主陣営と肩を並べることで(中国に対する)抑止力を発揮して、地域の平和と安定を維持していきたいと語った。
頼総統はさらに、3月上旬に職業軍人の給与と戦闘部隊への手当の引き上げを発表したことに言及し、これからも国防改革、国防自主に努めるという政府の決意を示すとともに、これから計上する特別予算では、国防予算をGDPの3%以上に引き上げることを優先的に進め、台湾の自己防衛能力をこれからも引き揚げ、民主主義と自由を守るという台湾の決意を示していきたいと伝えた。
アクイリノ氏はこれに対して、過去5か月間で2度目の台湾訪問となったが、台湾から強い印象を受けており、頼清徳総統がそのリーダーシップと行動力をもって台湾という土地と、この島に住む人々を守ろうとしていることに敬意を示すと述べた。
アクイリノ氏はまた、台湾が社会全体の防衛能力を高め、抑止力を高めようとしていることに強い印象を受けたとし、台湾の活発な民主主義は、この地域全体の平和と安定にとって極めて重要なものであり、「自分とNBRはこれからも引き続き台湾を支持し、台湾と米国の緊密な関係を維持し、そして地域の平和と安定を確保していきたい」と述べた。