2025/05/08

Taiwan Today

外交

衛生福利部の邱泰源部長、台湾がWHO総会に参加できるよう海外メディア通じ呼びかけ

2025/05/05
国連の専門機関である世界保健機関(WHO)の年次総会、WHAが今月19日よりスイスのジュネーブで始まる。衛生福利部の邱泰源部長(保健相)はスウェーデンの日刊紙『ネリケス・アレハンダ』と英国のフリーペーパー『City AM』(シティエーエム)に寄稿し、台湾のWHO総会参加を認めるべきだと訴えた。(衛生福利部フェイスブックより)
国連の専門機関である世界保健機関(WHO)の年次総会、WHA(以下、WHO総会とする)が今月19日よりスイスのジュネーブで始まる。台湾はWHO加盟国ではないため、オブザーバーの身分による参加を目指しているが、昨年まで8年間連続で参加が実現しておらず、今年も現時点でまだ招待状が届いていない。こうした中で衛生福利部の邱泰源部長(保健相)はこのほど、スウェーデンの日刊紙『ネリケス・アレハンダ』と英国のフリーペーパー『City AM』(シティエーエム)に寄稿し、台湾がWHO総会に参加できるようにすべきだと訴えた。寄稿文の概要は以下のとおり。
 
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昨年開催された第77回WHO総会(WHA77)では今後4年間(2025~2028年)のグローバルヘルス戦略『第14次総合事業計画(GPW14)』が承認された。その中には、ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)及び経済的保護を向上させ、すべての人の健康を達成するという戦略的目標を目指すことが含まれ、各国に対して関連の議題に関する行動を採取するよう呼びかけられた。
 
台湾は1995年に国民皆保険制度を導入した。それから30年が経過し、保険加入率は99.9%以上に達している。これは台湾の人々に、公平でアクセシビリティが高く、効率の良い医療保障を提供している。これは世界の医療制度の模範となるもので、世界の医療制度ランキングで台湾は7年連続1位に選ばれている。
 
健康保険制度への満足度が高いだけでなく、台湾では、台湾が持つICT(情報通信技術)の強みを活かし、コストパフォーマンスや効率の高い医療体系とサービスが構築されている。例えば健康保険のクラウドシステムはカルテの共有効率を高めているし、病院やシステム間の情報共有がスムーズになるよう標準化されたデータ形式を採用することで、海外の医療機関とのデータ交換を推進したり、AIアシスタント技術を搭載したスマート医療の発展にも取り組んでいる。
 
このように台湾は政治的な問題に直面しながらも、一貫してグローバル・ヘルス問題の解決に取り組み、世界の保健体系を支援する努力を続けてきた。
 
残念なことに、中国が国連総会第2758号決議とWHO総会(WHA)第25.1号決議を曲解しているため、台湾はWHOという世界で最も重要なヘルス協力の枠組みに参加できない状況にある。しかし、これら2つの決議には、台湾に関する言及や、台湾が中国の一部であるとの内容は含まれていない。WHOにおいて、台湾を代表する権利を中華人民共和国に与えたわけではないのだ。
 
よってWHOは、その専門性と包摂性の原則に立ち、より開かれた姿勢と柔軟性をもって、台湾をWHO総会やその関連活動に実務的に招待するべきである。台湾はこれからも国際社会と協力し、国境を越えた健康な未来を共に築き上げ、WHO憲章が掲げる「健康は基本的人権である」という考えと、国連のSDGs(持続可能な開発目標)の一つ「誰一人取り残さない」という目標の実現に貢献したいと強く望んでいる。
 

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