2025/05/15

Taiwan Today

外交

外交部主催「欧州終戦80周年記念式典」、平和と繁栄守るための連携を国際社会に呼びかけ

2025/05/09
欧州で第2次大戦が終結してから80年を迎えた8日、外交部は台湾北部・台北市の台北賓館(迎賓館)にて「欧州終戦80周年記念式典」を開催した。(外交部)
欧州で第2次大戦が終結してから80年を迎えた8日、外交部は台湾北部・台北市の台北賓館(迎賓館)にて「欧州終戦80周年記念式典」を開催した。米国外遊中の林佳龍外交部長(外相)の代理として呉志中政務次長(=副大臣)がホストを務め、頼清徳総統及び蕭美琴副総統、それに欧州連合(EU)、欧州諸国、豪州、米国など17カ国・組織の駐台代表が参加した。
 
頼総統は、欧州での終戦を記念するイベントが台湾で開催されるのは今回が初めてだとした上で、これは台湾と国際社会とのつながりがますます深まっていることの象徴でもあると述べた。また、第二次世界大戦の勝利は人類の一致団結によって成し遂げられたものであり、かつてその中心となった国々が、いまでは100%の民主主義国家になっていることは、「自由と民主主義こそが真の国家発展をもたらす」ことを証明するものだと強調した。また、「平和はプライスレス、戦争に勝者はいない」と語り、平和を大切にし、侵略を見過さないことが大切だと訴えた。さらに、「台湾と欧州は現在、新たな権威主義勢力の脅威にさらされている。いまこそ団結し、侵略者に付け込むスキを与えず、我々が重視する自由と民主主義の生活を守っていかなければならない」と呼びかけた。
 
呉政務次長(=副大臣)は、「本日の式典は歴史に敬意を払うと同時に、世代を超えた対話を促進するものだ。平和、民主主義、人権を守るという我々の共通の信念を改めて確認したい」と語った。また、第二次世界大戦後、欧州は「欧州石炭鉄鋼共同体(ECSC)」や「欧州経済共同体(EEC)」など新たな制度を通じて戦後の国際秩序の再構築に成功し、平和と繁栄の礎(いしずえ)を築いた。現在の欧州連合(EU)は、まさに欧州諸国の団結と協力の象徴である。国際情勢が不安定になり、権威主義がその勢力を拡大する中、台湾は近い理念を持つ国々と連携することで、ルールに基づく国際秩序を果敢に、そして粘り強く守り抜き、世界の民主主義によるアライアンスをより緊密なものにしていきたい」と語った。
 
駐台欧州連合(EU)代表部に相当する欧州経貿弁事処のLutz Güllner処長は、5月8日は欧州にとって極めて大きな歴史的意義のある日であり、戦争と暴力によって失われた無数の命を追悼する日だと述べた。そして、この日を記念することの意義は、事実を捻じ曲げず、過去を正しく見つめることにあると指摘。実際、この戦争が勃発した原因は、ドイツのワイマール共和国(1919-1933年)の民主体制が過度に脆弱で、ナチス政権という独裁と侵略の台頭を許してしまったことにあり、一方でナチス政権の敗因は、米国、英国、ソ連、フランスを含むすべての連合国の努力と犠牲による成果であると説明した。そして、「我々がこの歴史的な節目を振り返り、追悼するのは、無数の尊い命に敬意を払うのはもちろんのこと、それ以上に重要なのは、そこから教訓を学び、真実を誠実に直視し、記録することだ。歴史が歪められたり、改ざんされたり、政治的に操作されることを防がなければならない」と述べた。
 
英国在台弁事処のルース・ブラッドリー・ジョーンズ代表(駐台英国大使に相当)は、「我々が現在享受する自由と民主主義は、平和のために犠牲となった多くの先人たちの努力の上に築かれている。この歴史があったからこそ、より公正な社会が形成され、社会福祉の増進やジェンダー平等が促進され、自由と民主主義のために新たな誓いが生まれた。これらはすべて正義を信じる信念、揺るがぬ決意、そして団結の力が可能にしたものだ。我々は過去と未来の世代に対して責任を負っている。これからも我々が共に享受し、重視する核心価値を守っていこう」と訴えた。
 

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