2025/05/16

Taiwan Today

外交

台湾の民間団体「TAIUNA」、台湾のWHO総会参加の必要性を訴えるためジュネーブへ

2025/05/13
台湾の国連加盟などを訴える民間団体「台湾聯合国協進会」(TAIUNA)は12日、WHO総会が開催されるジュネーブに訪問団を派遣し、民間の力によって台湾のWHO総会参加の必要性を訴える。(中央社)
世界保健機関(WHO)年次総会(WHA。以下、WHO総会とする)が今月19日から27日までスイスのジュネーブで開催される。オブザーバーの身分での台湾の招待は、8年連続で見送られる見通しだ。台湾の国連加盟などを訴える民間団体「台湾聯合国協進会」(TAIUNA)は12日、民間の力を集結してジュネーブに訪問団を派遣し、台湾のテクノロジー医療に関する展示を行ったり、台湾のWHO総会参加の必要性を訴える大規模なデモ行進などを実施すると明らかにした。記者会見には与党・民進党の李坤城立法委員(国会議員)、陳冠廷立法委員らが同席した。
 
12日に記者会見を開いた「台湾聯合国協進会」(TAIUNA)の李妍慧氏によると、今年の訪問団のメンバーの半数は13日に台湾を出発する。その他のメンバーは米国、英国、ルーマニア、ポーランドなどを出発し、ジュネーブで合流する。現地ではほかに、政府の代表団や立法院(国会)が派遣する代表団などとも合流する予定だ。
 
李妍慧氏によると、ジュネーブでは市街地の駅構内のホールを使って「世衛三大核心支柱之台湾途径」(Taiwan's take for WHO's Three Core Pillars/WHOの3つの支柱に対する台湾のアプローチ)をテーマに、台湾における科学技術の医療への応用についてアピールする。また、18日には現地在住の台湾人が主催する大規模なデモ行進に参加。19日は社団法人台湾医薬衛生青年聯盟が主催する「2025グローバル健康外交フォーラム」に参加する。
 
「台湾聯合国協進会」の洪嘉駿副理事長は、「台湾の感染症対策の経験と医療分野での成果は世界的にも認められている。台湾は決して権利を主張しているのではなく、義務を負担し、世界に貢献したいと願っているだけだ。それなのにこの20年以上、毎年海外へ出ていくたびに中国政府による政治的干渉を受けるのは残念なことだ」と述べた。洪嘉駿副理事長はまた、「中国には、台湾のために発言する資格も、台湾の公衆衛生分野での優れた成果を奪う資格もない」と主張。しかし、米国は2026年1月22日をもってWHOから脱退すると発表しており、そうなるとWHOがより中国寄りになることは避けられないとして、これが世界の公衆衛生にとって高い不確定要素になることに懸念を示した。
 
台湾のオブザーバーの身分によるWHO総会参加は、2016年を最後に8年連続で見送られている。それに加えて今年は国会で多数を占める野党が予算の大幅な削減・凍結を実施したため、衛生福利部は出張費予算が6割削減となり、ジュネーブに派遣する訪問団の規模を従来の3分の1に縮小せざるを得ない。記者会見に同席した李坤城立法委員は「いまこそ民間の力を集結し、台湾の経験を伝えていくべきだ」と強調するとともに、野党は予算の削減・凍結の実施するにあたってもう少し配慮すべきであったとし、とりわけ外交分野では与党や野党の区別をするべきではないと指摘し、(予算の削減・凍結が)中華民国が海外に出ていくにあたって非常に大きな障害になっていることを批判した。
 
また、陳冠廷立法委員は、新型コロナウイルスのパンデミック発生以降、世界は台湾が国際社会において責任ある一員としての役目を果たしていることを目の当たりにしており、台湾は半導体のサプライチェーンにおける役割を「武器化」することなく、国内企業と連携して各国に支援物資を供与するなど国際社会に貢献してきたと指摘。これこそ台湾の「善のパワー」であり、その台湾が国際組織から排除されている現状はWHO設立の基本原則に著しく反するものだと訴えた。
 

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