陳政務次長はまず、中華民国(台湾)政府及び国民を代表して、ソマリランド共和国の独立34周年への祝意を示した。また、平和の構築、民主主義のプロセス、自主的発展の道のりにおけるソマリランドの揺るぎない努力を高く評価した。そして、「台湾とソマリランドは民主主義、自由、人権といった普遍的価値を共有する近い理念を持ったパートナーだ。これに対して近年、ソマリア政府は台湾人の渡航の自由や安全を制限しようとしている。これは民主主義国家間の国民の交流を阻害する横暴な措置だ。台湾は『同舟共済濟』(同じ船に乗る仲間として助け合う)という信念をもって、毅然とした態度でソマリランドと共にありたい。今後も二国間の協力を一層深め、より強靱で繁栄した社会の共創を目指し、両国民の利益となるよう努めていきたい」と述べた。
ソマリランド駐台代表(大使に相当)のMahmoud Adam Jama Galaal氏は挨拶の中で、ソマリランドの独立記念日は単なる国家の独立を祝う日ではなく、自由、民主主義、自決権を追求するソマリランドの人々の力強い意志を象徴する重要な記念日でもあると指摘した。また、ソマリアがソマリランドの領空を管理することで、台湾とソマリランドの往来を制限しようとしていることについては、「こうした行為は民主主義国家間の交流深化に取り組む台湾とソマリアの努力に影響を及ぼすものではない。ソマリランド政府は今後も台湾と共に、国際社会から広く支持を取り付けられるよう協力し、両国の友好関係および二国間協力のさらなる深化を期待しつつ、地域の平和と繁栄を促進していきたい」と述べた。また、会場には台湾の政府が支給する「台湾奨学金」によって台湾で学ぶ多数のソマリランド人留学生も招かれており、Galaal駐台代表は台湾の政府が公費留学の枠をソマリランド人に提供し、それによってソマリランドの優秀な若者が台湾で学ぶ機会を得ていることについて、特に謝意を示した。
台湾とソマリランドは2020年に代表機関を相互設置して以降、医療・公衆衛生、人道支援、民主主義の構築、教育、農業、エネルギー・鉱業、情報通信など多岐にわたる分野で緊密な協力関係を築き、大きな成果を挙げてきた。現在の国際情勢を踏まえ、外交部は今後も「総合外交」の価値観、同盟、経済の「三大柱」の下、ソマリランド政府と緊密に連携し、共栄共存のパートナーシップを推進しつつ、両国民の福祉の向上に努めていきたいとしている。