栄誉礼
軍楽隊による両国国歌演奏の後、頼総統とウィップス大統領が儀仗隊の巡閲を行い、その後、それぞれ祝辞を述べた。頼総統は、「両国の国交樹立から今年で26年を迎える。両国は互いに支え合い、さまざまな困難を乗り越えつつ、各分野で協力を深めてきた。今後も継続して努力し、世界により貢献していきたい。今回のウィップス大統領の訪台を通じて両国の関係がさらに緊密になり、より豊かな協力の成果を創り出せるよう期待している」と述べた。
これに対してウィップス大統領は、「台湾とパラオは外交関係を結んでいるだけでなく、民主主義、互いを尊重する気持ち、そして法の支配への確固たる信念などを共有している。ここにいる陸・海・空軍の儀仗隊は、まさにこれらの価値を象徴している。彼らは軍事的に優秀であることを示すだけでなく、平和を守り、尊厳と名誉を重んじるという、人々が持つべき品格を体現している」と称えた。ウィップス大統領はまた、「平和が常に脅かされ、自由が試されるこの時代において、なおも揺るがず立ち続ける者がいることに心強さを感じている。その姿勢は、侵略のためではなく、安定を維持するためだ。権力のためではなく、原則を守るためだ。儀仗隊として奉仕するこれらの若い男女たちは、単なる軍人ではない。国の力であり、規律であり、そして優雅さを体現する大使だ。彼らの奉仕は国のイメージを高め、台湾とパラオが大切にしている友情をさらに強化するものだ」と述べた。
首脳会談と2つの協定の締結
栄誉礼で迎えられたウィップス大統領夫妻は、頼清徳総統及び蕭美琴副総統に迎えられ、総統府内で首脳会談を行った。頼総統は、太平洋地域において地政学的な圧力が高まる中にあっても、パラオが台湾の国際参加を引き続き力強く支持していることに感謝した。また、両国の協力関係が今後さらに裾野を広げ、双方の経済および社会の持続的な発展につながるよう期待を寄せた。
ウィップス大統領はこれに対して、ますます不確実性を増し、複雑な課題に直面するこの世界で、気候変動や国際的な緊張の高まりといった状況の中、両国の友情はいっそう貴重なものとなっていると指摘。今後も互いに寄り添い、協力し合いながら、平和と繁栄のために共に努力していきたいと期待を寄せた。また、「たとえ小さな国であっても、目を向けてもらい、耳を傾けてもらい、そして尊重される権利があるということを、引き続き訴えていきたい」と述べた。
頼総統とウィップス大統領はその後、外交部の林佳龍部長(外相)とパラオ共和国のグスタフ・アイタロー国務大臣による「技術協力協定」及び「外交人員訓練及び交流協力協定」の締結に立ち会った。
国宴(国家元首主催の公式な宴会)
頼清徳総統は20日夜、蕭美琴副総統とともに、総統府内で国宴(国家元首主催の公式な宴会)を開き、パラオ共和国のウィップス大統領夫妻とその一行をもてなした。国宴には総統府の潘孟安秘書長、国家安全会議の呉釗燮秘書長、パラオ共和国のグスタフ・アイタロー国務大臣、チャールズ・オビアン公共基盤・産業・商業大臣、ニライベラス・メトゥール人的資源・文化・観光・開発大臣ほか、パラオからの同行者や台湾の関係者が多数出席した。
ウィップス大統領は、2026年には太平洋諸島フォーラム(PIF)がパラオで開催されるとして、その成功に向けて今後台湾と緊密に協力していきたいと述べた。また、台湾の素晴らしい世界貢献を広く訴えるとともに、民主主義のパートナーを抑圧したり孤立させたりするいかなる行動に対しても、パラオは断固として台湾と共に立ち向かう覚悟だと強調した。